現在、南カリブ海および周辺海域には、米軍艦艇8隻が集結している。トランプ大統領がラテンアメリカの麻薬組織への取締りを強化するなか、アメリカとベネズエラの間で緊張が一段と高まっている。

米国防当局によると、米軍の軍艦7隻と原子力潜水艦1隻が、計4500人以上の海兵隊員や水兵を乗せ、現在ベネズエラ近海に集結していることが確認されている。さらに、今後1週間以内に追加の艦艇が到着する見通しである。

ベネズエラ政府は、米軍の動きに備え、1万5千人の兵士を国境に派遣するよう命じた。

8月31日に撮影されたドローンの映像では、米海軍のミサイル駆逐艦がパナマ運河の入口付近に停泊している様子が確認されており、この艦艇はベネズエラへ向かう予定だ。

ホワイトハウスは、「トランプ大統領の姿勢は極めて明確かつ一貫しており、麻薬流入を阻止するためにアメリカのあらゆる力を行使し、関与した者を法の下で裁く考えだ」と表明している。

また、米連邦政府は最近、麻薬王マドゥロの逮捕に対する懸賞金を倍増し、5千万ドルに引き上げた。ただし、ベネズエラへの武力攻撃の可能性については明言していない。

ベネズエラ側は、マドゥロ氏が2024年と2018年の大統領選でいずれも再選を果たしたと主張しているが、アメリカをはじめ国際社会の多くの国々は正統な結果として認めていない。

マドゥロは、「米軍がベネズエラを攻撃しようとしている」と主張し、徴兵や武力による対抗準備を国民に広く呼びかけているが、反対派は実際に入隊する者はごくわずかだと指摘している。

アメリカに指名手配されているマドゥロは「ミサイル1200発を搭載した軍艦8隻と原子力潜水艦1隻が、ベネズエラを標的にしている」と述べた。

一部の分析では、マドゥロと中国共産党（中共）との深い関係が、トランプ氏が迅速に軍事行動を決断した要因のひとつである可能性が指摘されている。