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米国が中国企業16社を制裁  ハマスなどのドローン製造支援か

2025/10/11
更新: 2025/10/11

米商務省は10月8日、中国企業16社を輸出管理のブラックリストに追加したと発表した。理由は、これらの企業がアメリカ製電子部品の調達を支援し、その部品がイランの代理勢力であるハマスやフーシ派武装組織などが運用するドローンに使用されていたことが明らかになったためだ。

米商務省産業安全局(BIS)が同日付の『連邦官報』で発表した通知によると、新たに26の企業・団体と3つの所在地が「エンティティ・リスト(輸出規制対象リスト)」に追加された。この中には中国企業16社と中国国内の3つの住所に加え、トルコおよびアラブ首長国連邦(UAE)に拠点を置く企業も含まれている。

通知では、10社の中国企業が無人機システムの部品購入を支援したとして制裁対象に指定された。これらの無人機はイエメンのフーシ派などによる攻撃作戦で使用されていたと指摘されている。さらに、別の1社については、違法な調達ネットワークに関与し、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)コッズ部隊のフロント企業に無人機部品を提供したとして、リストに追加されたとしている。

また、中国企業5社は、2023年10月7日にハマスがイスラエルを襲撃した事件に関与した疑いがあるとされている。当時、イスラエル軍が無人機の残骸を回収した際、内部から複数のアメリカ製電子部品が見つかり、その一部については中国企業が調達を手助けしていたことが調査で明らかになった。

2023年10月7日、ハマスはイスラエルに対して前例のない規模の攻撃を行い、約1200人が死亡した。イスラエルは同日、ハマスへの報復攻撃を開始し、ガザ地区での衝突は現在も続いている。両者はいまエジプトで和平交渉を行っている。

米商務省はさらに、劉保霞(エミリー・リウ)に関連する中国国内の3つの住所をブラックリストに追加した。劉保霞は、イランの国防省傘下の企業「シラーズ電子工業会社(SEI)」向けに部品を調達するネットワークに関与していたとされている。米財務省はすでに劉保霞とその関連組織を制裁対象としており、SEIがイラン国防省の管理下にあると指摘している。

商務省は声明の中で、今回リストに加えられた企業や団体は「アメリカの国家安全保障および外交政策に対する脅威である」と強調した。今後、これらの企業が『輸出管理規則(EAR)』の下で規制対象となるアメリカ製品や技術を入手するには特別な許可を申請する必要があるが、実際にその許可が承認される可能性は極めて低いとされている。