トランプ米大統領は10月17日、ホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー氏と会談し、ロシア・ウクライナ戦争について2時間余りにわたり協議した。会談後、トランプ氏は、「会談の雰囲気は非常に良好だった」と述べたうえで、「戦闘を止め、合意を結ぶときが来た」と強調した。その日のうちにフロリダへ戻ったトランプ氏は、報道機関を通じて「ロシアとウクライナ双方は直ちに停戦すべきだ」と改めて呼びかけた。
トランプ氏
「彼らは戦線でただちに停戦すべきだ。さもなければ事態は非常に複雑になる。そのような状況では、永遠に解決することはできないだろう」
この発言は、トランプ氏がゼレンスキー氏との会談後、大統領専用機「エアフォース・ワン」でフロリダへの帰途でメディアに語ったものだ。
一方、ゼレンスキー氏も同日、ウクライナ側の立場を明らかにした。まず交渉のテーブルにつくこと、次に停戦を要すると述べた。その上で、ロシアのプーチン大統領は停戦を望んでおらず、ロシアに対して国際社会が引き続き圧力をかける必要があるとの認識を示した。
ただ、ウクライナ政府が強く求めているアメリカのトマホーク巡航ミサイルの供与については、トランプ氏は慎重な姿勢を崩さなかった。
トランプ氏
「もし兵器のレベルが引き上げられれば、それは戦争の拡大を意味し、多くの悪いことが起こることを意味する。トマホークミサイルに関する問題は極めて重要だ」
18日、ドイツ西部を訪問中のドイツのメルツ首相は、ゼレンスキー氏のホワイトハウス訪問についてコメントし、「欧州はロシア・ウクライナ戦争の終結を急がねばならないことを示している」と述べた。メルツ氏によると、ゼレンスキー氏とは17日の夜に長時間の電話会談を行ったといい、ヨーロッパ諸国は経済・政治・軍事の各面からウクライナを全面的に支援する必要があると強調した。
トランプ氏とゼレンスキー氏の首脳会談に先立ち、トランプ氏は、16日にプーチン氏と2時間半にわたって電話会談を行っていた。両首脳は、来週にも高官レベルの協議を開催することで一致し、数週間後にはハンガリーのブダペストでトランプ・プーチン両首脳によるサミットが開催される見通しだ。
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