【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

コミー元FBI長官の弁護団に大陪審資料の開示命令

2025/11/18
更新: 2025/11/18

連邦裁判所の判事は17日、ジェームズ・コミー元FBI長官に対する刑事訴追を取り下げようとする弁護団の要請を受け、米司法省に対し大陪審関連資料を弁護士側に開示するよう命じた。

バージニア州東部地区連邦地方裁判所のウィリアム・フィッツパトリック判事は命令書の中で、同地区の臨時連邦検事リンジー・ハリガン氏率いる検察チームによる手続き上の誤りや「政府の不正行為」が、コミー氏に対する起訴の正当性を損なう可能性があると指摘した。

判事は「これは極めて異例の措置であるが、弁護側が提示した事実に基づく政府の行為に対する異議、および政府の不正行為によって大陪審の手続きが汚染された可能性を踏まえると、こうした特別な事情のもとでは大陪審資料の開示が必要である」と述べた。この判断は、9月にコミー元長官を起訴した大陪審に関するすべての資料を開示するよう命じる内容となっている。

さらに判事は、検察側が裁判所命令やコミー氏の憲法修正第4条に基づく権利を侵害した可能性もあると指摘し、これが「政府の行為が故意または法を軽視したものであったかどうかを疑う合理的根拠」となり得ると述べた。

さらに判事は、「本意見書に記載した事実と、裁判所が個別に認定した内容から見て、大陪審の手続きの段階で何らかの重大な問題(政府側の不正や違法行為)が発生した可能性が高い。そのため、その問題を理由に起訴状そのものを棄却(取り消し)すべき根拠が存在する」と付け加えた。

これに対し司法省は同日、バージニア州東部地区連邦地方裁判所に緊急申し立てを提出し、フィッツパトリック判事の命令の執行停止を求めた。

政府側弁護団は7ページの書面で、この命令は「法律に反する」と主張し、司法省は命令に異議を唱える権利があると述べた。

先月、同判事は検察側に対し、コミー氏を対象とした捜査に関する大量の資料を弁護団に引き渡すよう命じていた。これは、弁護側が「数年前に行われたFBI内部の情報漏洩調査に関する資料を閲覧できず不利な立場に置かれている」と主張したことを受けたものである。

コミー氏は2020年に議会で虚偽の証言をしたとして起訴されており、無罪を主張している。弁護団は、これはドナルド・トランプ大統領の指示による報復的な起訴であり、棄却されるべきだと主張している。

フィッツパトリック判事も11月5日の公判で、「この事件の手続き的状況は極めて異例である」と述べ、司法省が「まず起訴し、その後で捜査を行った」ように見えると指摘した。

コミー氏の起訴状は、トランプ大統領がソーシャルメディアでパム・ボンディ司法長官に対しコミー氏らへの措置を求めた数日後に発付された。起訴を主導したハリガン検事は、元ホワイトハウス補佐官でトランプ氏の弁護士でもあり、同氏はバージニア州の連邦検事に任命されていた。

司法省は今月初め、裁判所への提出書類の中でトランプ大統領のソーシャルメディア投稿を擁護し、「正当な検察判断を反映したものであり、起訴を無効とする根拠にはならない」と主張した。

政府側は、コミー氏の事件がトランプ氏のための政治的報復に等しいという弁護団の主張を退けるよう判事に求め、トランプ大統領はコミー氏が権利行使をしたために起訴せよと言ったわけではないと指摘した。

司法省の弁護団はさらに、「記録から、起訴が被告の第一修正条項(言論の自由)権利の行使を罰するためにだけ行われたものではないことが明らかであるため、報復的起訴ではないと裁判所は認定すべきだ」と記した。

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。