【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

日本海で日米共同訓練 米戦略爆撃機B-52も参加

2025/12/11
更新: 2025/12/11

統合幕僚監部は10日、航空自衛隊と米軍が日本海上空で共同訓練を実施したと発表した。訓練は、力による一方的な現状変更を許さないという日米の意思を示し、地域の安全保障環境の悪化に対応するために行った。令和7年12月10日に実施、自衛隊からF-35およびF-15戦闘機が、米軍からは戦略爆撃機B-52が参加した。

今回の訓練では、日米双方の航空戦力が各種戦術訓練を通じて共同対処能力を確認した。統合幕僚監部は「日米同盟の抑止力・対処力を一層強化するために実施した」と説明し、自衛隊とアメリカ軍の即応態勢が確実に維持されていると強調した。

B-52が日本周辺で自衛隊と共同訓練を実施するのは、令和6年(2024年)4月に日本海上空で行われた訓練以来とみられる。近年、東・南シナ海の軍事的緊張の高まりを背景に、B-52の日米共同訓練への参加は頻度を増している。

近年、中国共産党政府は、東シナ海では接近飛行や防空識別圏(ADIZ)進入を繰り返し、南シナ海では人工島の軍事拠点化を進めるなど、圧力行動を継続。また台湾周辺では大規模な実弾演習も頻発しており、現状変更を狙う動きが顕著となっている。アメリカはこれに対し、インド太平洋地域で戦略爆撃機の可視的プレゼンスを強化する方針に転じている。

「爆撃機任務部隊(BTF)」は、B-52、B-1B、B-2といった戦略爆撃機をアジアに繰り返し展開させており、日本周辺でも年間複数回、自衛隊との訓練が実施されるようになった。BTFは米本土やグアムから爆撃機を短期間ローテーション展開させ、同盟国との即応性向上と抑止力の誇示を目的としている。2020年代に入り、こうした訓練頻度は明確に増加している。

B-52は核兵器と通常兵器の双方を搭載可能で、行動半径は1万キロを超える。空中給油を併用すれば地球上ほぼ全域に戦力投射できることから、米国の戦略的意志を象徴する存在である。日本周辺に飛来し自衛隊と連携訓練を行うこと自体が、アメリカの関与の強さと日米同盟の抑止力を対外的に示す明確な政治・軍事メッセージとなりえる。

地域の軍事的緊張が高まる中、B-52の継続的な展開は偶発的な措置ではなく、アメリカの戦略的判断に基づく計画的運用として定着しつつある。今後も日米両国が共同訓練を重ね、同盟の信頼性と抑止力を確実に保持していく姿勢を示した形である。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます