イランで全国規模の抗議活動が続いている。最近、抗議者が街頭に設置された監視カメラを壊す行動が相次いでいる。
壊された監視カメラは、中国企業がイラン当局に提供してきた監視設備とされる。治安当局が市民を見張り、抗議者を特定するために使われてきたものだ。
抗議は2025年12月28日に始まり、短期間で全国に広がった。当局は抗議の拡大を防ぐため、インターネットや携帯通信を遮断し、治安部隊を動員して鎮圧を図った。しかし抗議は収まらず、街頭に出る市民は今も後を絶たない。
映像では、首都テヘランをはじめ、各地で大勢の市民が集まり、「独裁者を倒せ」「ハメネイ師を倒せ」と叫んでいる様子が確認されている。
参加者は若者だけでなく、幅広い年齢層に及んでいる。
別の映像では、抗議者が電柱に登り、監視カメラを破壊する様子も映っている。周囲の市民はこれに歓声を上げている。
イランでは2022年9月、厳しい服装規定を理由に警察に拘束された若い女性が死亡し、大規模な抗議が起きた。人権団体はその後、イランの警察や治安機関が、中国製の顔認証技術や監視システムを使い、抗議者の特定や拘束を行ってきたと指摘している。
首都を管轄するイラン国家警察は、監視カメラを使ってデモ参加者を識別し、追跡する方法を公にしたこともある。中国の税関データでも、2022年以降、中国からイランへの監視機器の輸出が増えていることが確認されている。
今回、抗議者が中国製の監視カメラを壊しているのは、 こうした監視技術が取り締まりに使われてきたという認識が、市民の間で広がっているためだ。
街頭で壊される監視カメラは、単なる設備ではない。抗議者を見張り、特定し、拘束してきた監視体制に対する、市民の正面からの拒絶だ。
(中国製の監視カメラを破壊する抗議者。2026年1月9日、イラン)
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