ベネズエラが米国人を複数釈放 米政府 石油輸送への監視強化

2026/01/15
更新: 2026/01/15

アメリカ国務省は1月14日、これまでベネズエラに拘束されていた複数のアメリカ人が解放されたと発表した。ただし、解放の規模をめぐっては関係者の見方が分かれている。事情に詳しい関係者によると、アメリカ政府は同国の石油取引に関与したとみられる数十隻のタンカーを差し押さえるため、裁判所に追加の差し押さえ命令を申請しており、ベネズエラの石油輸出をさらに制限する方針だという。

国務省は声明で「ベネズエラに拘束されていたアメリカ人の解放を歓迎する。暫定政権が正しい方向に踏み出した重要な一歩だ」と評価した。

解放された人数について公式な発表はないが、関係筋によると14日に4人、前日の13日に1人が解放されたという。

先週、ベネズエラ国民議会のホルヘ・ロドリゲス議長は、マドゥロ氏の拘束後、「和平を模索する」姿勢の一環として、相当数のベネズエラ人および外国人を解放すると予告していた。

一方、ロドリゲス氏は14日、「すでに400人以上を解放した」と主張したが、地元の人権団体は、実際に確認できた人数はこの数日で60~70人にとどまるとしており、釈放の進み方や情報公開の不透明さを問題視している。刑務所当局は解放者数を116人としている。

人権団体フォロ・ペナルは、年初時点で少なくとも800人の政治犯を収監していると指摘したが、政府は「政治犯」の存在を否定している。同団体の関係者は、「現時点で確認できる範囲では、釈放された囚人の中で実際に完全な自由を得た人は一人もいない。

人によって異なる制限措置が取られているが、根本的な問題は、これらの人々に対する刑事訴訟が今も継続している点にある。弾圧の構造は解体しておらず、依然として存在している」と批判している。

また、ロイター通信によると、アメリカ政府は連邦裁判所に複数の民事没収訴訟を起こし、制裁対象となっている、あるいは規制を逃れて原油を輸送していた船舶の差し押さえを進めている。これらの船は、イラン、ロシア、ベネズエラ産原油を不透明な形で運び、中国が主要な購入者になっている。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、中国共産党(中共)の特使が1月3日にマドゥロ氏と会談した直後、アメリカ軍が同氏を拘束したことで、中国が中南米で進めてきた地政学戦略が大きな影響を受けたと報じた。

関係者は、中共は現在、ベネズエラ向けの不良債権を多く抱えており、当面は同国の石油権益を守ることを最優先にしていると指摘する。中共は、数十億ドル規模のアメリカ債購入などを含む対応を検討しているとし、4月に北京で予定している習近平とトランプ氏の首脳会談で、中共側がアメリカの姿勢を探る見通しだ。