片山財務相「責任ある積極財政」で「強い経済」実現へ意欲 =日本記者クラブ会見

2026/01/18
更新: 2026/01/18

令和8年1月16日、片山さつき財務相兼金融担当相は日本記者クラブで会見を行い、高市早苗政権下で編成された初の予算となる令和8年度予算案や、今後の経済財政運営の方針について語った。片山氏は、憲政史上初の女性首相と女性財務相という体制の下、「責任ある積極財政」を通じて「強い経済」を実現し、次世代に豊かな日本を残す決意を強調した。

「サプライサイド経済」への転換と重点投資

片山氏は、日本経済が長年のデフレ・コストカット型経済から、投資拡大と生産性向上を伴う成長型経済へ移行する「分水嶺」にあるとの認識を示した。高市政権が掲げる経済政策の本質は、単なる需要喚起ではなく、供給能力の強化(ボトルネックの解消)を目指す「サプライサイド経済」であると説明した。

具体的には、経済安全保障、食料・エネルギー、サイバーセキュリティなどを「危機管理投資」と位置づけ、官民連携で戦略的な投資を行うとした。特にAIや半導体分野(ラピダスプロジェクトやフィジカルAIなど)への支援を強化し、10兆円以上の公的支援を呼び水に50兆円超の官民投資、約160兆円の経済波及効果を目指す構想を披露した。

足元の経済指標については、名目GDPが700兆円に迫り、設備投資は過去最高を更新、賃上げ率も2年連続で5%を上回っているとし、日経平均株価が5万4000円台に達している現状を「アベノミクス以降の成果」として評価した。

財政健全化と「プロアクティブ」な財政

令和7年末に閣議決定された令和8年度予算案の一般会計総額は、2年連続で過去最大を更新する122兆92億円となった。片山氏は、防衛力強化や教育無償化などの財源を確保しつつも、国債依存度は24.2%と過去30年間で最も低い水準に抑えたと説明した。

また、当初予算ベースでのプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化を28年ぶりに達成したことを明らかにし、単年度の財政赤字対GDP比ではG7(主要7カ国)の中で日本が最も良好な状態にあるとのデータを示した。

片山氏は「責任ある積極財政」における「積極」の意味について、単なる規模の拡大(Expansionary)ではなく、将来を見通して先手を打つ「プロアクティブ(Proactive)」な姿勢であると定義した。経済成長による税収増と歳出改革(ワイズ・スペンディング)を通じて、経済再生と財政健全化を両立させる姿勢を強調した。

金融政策と資産運用立国

金融担当相としての側面からは、家計の金融資産を貯蓄から投資へシフトさせる「資産運用立国」の推進を挙げた。NISA(少額投資非課税制度)の口座数が2700万に達したことに触れつつ、今後は0歳から17歳までを対象とした利用枠の拡大などを通じて、家計金融資産のリターン向上を図る方針を示した。

また、企業のコーポレートガバナンス改革を進め、内部留保を前向きな設備投資や人的投資へ回すよう促す考えを示した。金融機関に対しては、リスクテイクを促し、資金循環の改善を図るとした。

外交・為替および政権への自信

外交面では、中国へのレアアース依存度を90%超から60%台へ引き下げた日本の取り組みが、G7諸国から高く評価されていると述べた。為替相場については、ファンダメンタルズを反映しない急激な変動に対しては断固たる措置をとるというG7の合意事項を確認しつつ、具体的な水準への言及は避けた。

衆議院解散・総選挙が迫る政治情勢について、片山氏は「日本列島を強く豊かにし、22世紀を生きる世代に強い日本を残す責任がある」と述べ、高市政権の経済政策への信認を国民に問う姿勢を鮮明にした。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。