中国 祝うはずの街で起きた色の迷走

旧正月前の中国 黄色い灯籠騒動

2026/02/11
更新: 2026/02/11

2026年の旧正月を前に、中国各地の街が、例年とは違う色に染まった。本来なら赤い灯籠が並ぶはずの街に、黄色い灯籠が一斉に吊るされたのだ。

確認されたのは、北京市をはじめ、河北省涿州市、山東省済南市、四川省楽山市、福建省厦門市など複数の都市。
しかも装飾は局地的ではなく、主要道路に一斉に施された。

市当局は「市政府の統一手配」「吉祥を表す色」と説明したが「なぜ赤を外したのか」という肝心な問題については語られなかった。

だが中国では黄色は、皇権の象徴である一方、一部地域では祭祀や死者を連想させる色でもある。そのため、ネット上には「旧正月らしくない」「葬式みたいだ」「縁起が悪い」といった声があふれた。

さらに話題になったのが、2026年が丙午の年にあたることだ。伝統的な干支観では、火が強すぎる年とされ、歴史上の動乱と結びつけて語られることがある。

そこから「火(赤色)を抑えるため黄色にしたのでは」といった憶測が広がった。

共産党は無神論を掲げてきたはずだ。それでも「縁起を気にしたのでは」と言われてしまうところに、今回の騒動の皮肉がある。

そして批判が広がると、設置から数日後、黄色い灯籠は各地で静かに撤去された。

誰が決め、いくらかかり、なぜ外したのか。これらについて、明確な説明は出ていない。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!