中国 300人超が生活困窮

中国公安部系企業が給料2年未払い

2026/02/25
更新: 2026/02/25

中国経済の失速が続くなか、今度は公安部系の企業で深刻な給与未払い問題が浮上した。

発端となったのは、2月14日に中国SNSウィーチャット上の個人運営アカウントが掲載した内部告発とされる文章だ。記事は、北京鋭安科技有限公司が長期間にわたり給与を支払っていないと指摘。「悪意ある未払い」「背後機関との結託」といった強い言葉で批判した内容だった。投稿は拡散したが、その後まもなく削除された。現在、原文は海外サイトに保存されている。

告発文によれば、同社は約2年間にわたり給与の支払いを滞らせ、未払い総額は8000万元(約18億円)にのぼるという。影響を受けているのは300人以上の従業員とその家族で、住宅ローンや車のローンが払えなくなっているケースもある。業務で立て替えた費用さえ返還されていないとの訴えもある。

会社側は一方で「必ず支払う」「国有企業として責任を果たす」と説明しながら、実際には30~50%の減給や大規模な人員削減を実施。補償金の支払いも拒否しているとされる。

さらに深刻なのは、社会保険の停止を交渉材料にしたとされる点だ。従業員に対し「従わなければ社会保険の納付を止める」と通告し、不合理な合意書への署名を迫ったとの記述もある。中国では社会保険の納付が止まると、医療保障や年金の積み立てが途切れ、生活に直接影響が出る。

北京鋭安科技は2003年設立。公安部系研究機関などが出資し、公安や検察、裁判所など政府機関向けにビッグデータやネットワーク安全対策を提供してきた企業である。いわば治安を支える側のIT企業だ。

治安を支える側のIT企業で、2年にわたる未払い疑惑。
しかも告発は削除され、国内では議論が広がらない。

単なる企業トラブルなのか。
それとも、より深い構造的問題の表れなのか。

いま、中国で何が崩れ始めているのか。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!