中国各地で住民による抗議が相次いでいる。環境問題や土地、生活に関わるトラブルをきっかけに衝突が発生し、当局は各地で強硬な対応を取っている。こうした動きを受け、首都・北京では警備体制を大幅に強化した。
湖北省武漢市では、住宅地近くに計画した電池工場をめぐり、住民が環境汚染のリスクを理由に反対運動を続けている。3月下旬には数百人から数千人規模の抗議に発展し、警察が出動して排除を行い、複数の住民を拘束した。その後も抗議は続き、警察との衝突が繰り返し起きている。
広東省信宜市でも、住宅地に近い場所への火葬施設建設に反対する住民が集まり、大規模な抗議が発生した。現地では警察が多数投入され、負傷者や拘束者が出たとの証言がある。周辺では出入りが制限されるなど、厳しい管理が続いているという。
内モンゴルでは、企業による土地使用料の未払いに抗議した住民を警察が鎮圧し、四川省では住宅の駐車場問題をめぐる抗議が衝突に発展した。いずれも生活に直結する問題が背景にある点が共通している。
こうした動きについて、カナダ在住の民主活動家で作家の盛雪氏は、広東の衝突を例に「住民の反発は以前よりも明らかに強まっている」と指摘する。その背景には、行き場を失った人が増えていることがあると分析している。
実際、抗議は各地に広がりつつあり、当局側も強い警戒を強めており、首都・北京では緊張が高まっている。
3月29日には、市内を移動していた乗客が、北京のメインストリート・長安街での警備体制を撮影した。映像では、短い間隔で警察が配置され、多数の警察車両が集結するなど、厳戒態勢が敷かれている様子が確認できる。

さらに北京市当局は、無人機の使用を厳しく制限する新たな規則を発表した。市内全域で飛行には事前申請が必要となり、機体の持ち込みや部品の運搬も制限する。個人による使用は大きく制約される見通しだ。
当局は安全対策を理由に挙げているが、専門家は、抗議活動の記録や拡散を抑える狙いもあると指摘する。各地で続く抗議の動きに対する警戒は強まっているとみられる。
(火葬施設計画をめぐり住民が抗議している様子 2026年3月25日、広東省信宜市)
(火葬施設建設に反対する住民と警察が衝突した場面 2026年3月19日、広東省信宜市)
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