米・イラン協議開始へ 双方が楽観とけん制のシグナル

2026/04/11
更新: 2026/04/11

4月10日、ヴァンス米副大統領は代表団を率いてパキスタンへ向かい、11日にイスラマバードで開かれる「イラン和平協議」に出席する。最近の衝突激化後、アメリカとイランが行う初の正式協議となる。アメリカは、代表団の安全確保に当たる30人規模の警備要員をすでにパキスタンに派遣している。協議を前に、双方は期待と圧力をにじませている。

ヴァンス氏は出発前、イランとの協議について前向きな見方を示し、協議への期待を語った。一方で、イランの外交チームに対しては、駆け引きをしないよう警告した。米側が協議に慎重な期待を寄せる一方、必要であれば対応を一段と強める構えも崩していないことがうかがえる。

協議の進展を把握するパキスタン側の消息筋はロイターに対し、準備はおおむね計画どおり進んでいると明らかにした。また、ここ数日、レバノンでの暴力が減少していることは良い兆候だとも語った。

イランは4月7日の土壇場で、アメリカと2週間の一時停戦で合意した。条件は、イランがホルムズ海峡の通航を直ちに認めることだった。しかし、停戦は発効したものの、ホルムズ海峡の通航量は依然として極めて少なく、通過した船舶は十数隻にとどまっている。

ホルムズ海峡とウラン濃縮問題が、引き続き協議の難所になるとみられている。重要な争点をめぐる双方の立場の隔たりはなお大きい。アメリカは、イランに対し、核計画の完全放棄、ミサイルの制限、代理勢力への支援停止などを求めている。一方、現在のイラン政権は、核開発の放棄には応じないうえ、恒久停戦や地域での権益の承認、戦争賠償などを求めている。

このため、イランは時間稼ぎを狙っているだけではないかとの見方も出ている。

時事評論家の藍述氏は、「アメリカの対イラン軍事行動における最も基本的な目標のいくつかは、協議では実現できない。イランが核兵器を放棄することも、中長距離弾道ミサイルを手放すことも、中東のあらゆるテロ組織への支援をやめることもあり得ない。つまり、イランは今、ホルムズ海峡を一種の協議材料として使い、時間を引き延ばそうとしている。アメリカは今年、中間選挙を迎える。その結果次第では、アメリカの政治環境が大きく変わる可能性がある」と述べた。

注目されるのは、協議を前に、協議参加者の一人であるイランのガリバフ国会議長が、10日にXに投稿し、レバノン停戦とイラン資産の凍結解除という2つの措置が、いまだ実行されていないと主張した点だ。さらに、これらは協議開始前に実施されるべきだと訴えており、イランが協議を前に米側の譲歩余地を探っているとの見方が出ている。

隔たりは大きいものの、分析では、双方が限定的な合意に至る可能性はなおあるとみられている。例えば、停戦の延長や一部制裁の緩和などだ。こうした合意だけで構造的な対立を完全に解消することはできないが、緊張を和らげ、外交努力を続ける時間を確保できる可能性があり、中東の真の和平に向けた土台となる可能性がある。

時事評論家の李林一氏は、「双方が恒久的な停戦に達するのは実際にはかなり難しく、そう簡単ではない。道のりには曲折が予想される。ただ、トランプ氏自身も語っているように、将来の協議結果については比較的楽観的に見ているのかもしれない」と述べた。