毒ヘビに続き、今度はワニ。
広西の洪水で、危険動物が次々と町へ流れ出している。毒ヘビでは当局は当初「デマ」と否定したものの、その後に流出を認め、「900匹」と発表。しかし民間の捕蛇隊は、すでに2千~3千匹を捕獲したと明らかにした。
そして今度は養殖ワニ。当局は再び「脱走はデマ」と否定したが、その翌日には公安がワニを射殺する映像が拡散した。
「当局がデマと言った話ほど本当だった」――。そうした事例があまりにも積み重なった結果、華人圏では近年、「当局のいうデマは予言」「当局がデマと言うことは十中八九本当だ」という皮肉が、もはや定番フレーズとなっている。
「ワニ」
7月7日、広西チワン族自治区・横州市では、洪水で養殖場からワニが逃げ出し、濁流の中を泳ぐ様子だとされる動画や写真がSNSで拡散した。
しかし地元当局は、「別の地域で撮影された古い映像であり、広西の洪水とは無関係」として、「ワニ脱走はデマ」ときっぱりと否定した。
ところが翌8日、被災地の住民が新たな動画や写真を公開した。浸水した道路には警戒線が張られ、ボートに乗った隊員や公安が自動小銃を手に水面を警戒する様子が映っていた。さらに別の写真には、射殺されたとみられる2頭の大型ワニが道路上に横たわり、周囲には血痕が残されていた。
「毒蛇」
今回の洪水では、ワニだけでなくヘビ養殖場も被災した。当初、SNSでは大量の毒ヘビが下流へ流されたとの動画が拡散し、中国メディアも住民が毒ヘビにかまれて死亡したと報じた。
しかし当局は、水中で撮影された細長い物体は「コブラではなくダチョウの首だ」と説明し、毒ヘビ流出も否定。その後になって流出を認めたものの、「逃げたのは900匹」と発表した。
ところが7月9日、民間の捕蛇隊のメンバーは中国メディアの取材に対し、7~8人のチームで2日間活動し、すでに2千~3千匹のヘビを捕獲したと明らかにした。当局の発表を大きく上回る数字に、「実際の流出数はもっと多いのではないか」との見方が広がっている。
実は、洪水でワニが流出する騒動は今回が初めてではない。2023年9月、広東省で洪水が発生した際にも、ワニ公園から多数のワニが市街地へ流出したとの情報が広がった。当局はいったんこれを否定したものの、その後ワニの流出を認め、捕獲対応に追われた経緯がある。
災害そのものは避けられない。しかし、被害の実態や危険情報まで「デマ」として封じられれば、住民は身を守ることもできない。こうした「まず否定し、後から認める」対応は、中国では洪水や災害のたびに繰り返されてきた。
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