中国・四川省成都市で7月26日夜、若者1人が市内最高層の超高層ビル「蜀峰468」の屋上に現れ、「反体制の象徴」の仮面を着けて発煙筒を点火した。
映像は一気に中国のSNSを駆け巡ったが、まもなく削除された。しかし、その後は海外のSNSへと拡散し、中国語圏で大きな注目を集めている。
当日は激しい雷雨だった。それでも若者は雨の中、高さ約468メートルの屋上まで登り、発煙筒に点火。その様子を撮影した動画や写真をネット上に投稿した。
若者が着けていた仮面は、映画『Vフォー・ヴェンデッタ』やスペインのドラマ『ペーパー・ハウス』などに登場する、権力への抵抗や自由を求める象徴として知られる仮面に似ていることから、ネット上では「さぞ役人たちは震え上がっただろう」「これは国民に革命を呼びかけているのか」といった声が相次ぎ、この行動を政府への抵抗のメッセージと受け止める人も少なくなかった。
さらに、「仮面の下にあるのは肉体だけではない。一つの信念だ。彼らは一人を殺すことはできても、同じ仮面を着ける次の一人を止めることはできない。小さな火は消えず、その意思は世代を超えて受け継がれる」といった投稿も拡散していった。
近年の中国では、景気低迷や生活苦への不満が高まる一方、当局は言論統制や監視を一段と強化している。そのため、公然と政府を批判することは難しく、横断幕や白紙、落書き、仮面などを用いて、言葉ではなく行動で意思を示す出来事がたびたび注目を集めてきた。
厳しい検閲の下で、不満を表しにくい中国で、雷雨の中あえて市内最高層ビルの屋上に立った若者。その行動が何を意味していたのかは分からない。しかし、危険を冒してまで何かを伝えようとしたその姿は、多くの人に強い意志と切迫したメッセージを感じさせた。
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