中国でファーウェイを皮肉る「竹ゼミ」騒動が、さらに奇妙な展開を見せている。
これまでは関連動画の削除やアカウントへの利用制限が問題となっていたが、今度はネット通販で竹ゼミを注文しても「届かない」との報告が相次いでいる。
中国のネット上では、注文の突然のキャンセルや商品ページの削除、ネットショップの閉鎖、さらには発送済みの商品まで途中で送り返されたとして、「竹ゼミが届かない」と訴える投稿が絶えない。
中国ネットを席巻した「竹ゼミ騒動」
竹ゼミは、回すと「ワーワー」と音が鳴る中国の伝統的な竹製玩具である。
当初は、この「ワーワー」という音がファーウェイの自動車発表会の歓声などを連想させるという、たわいもないネット上の「ネタ」だった。
ところが、ファーウェイからの通報を受けたとして関連動画が相次いで削除されると、状況は一変した。ネット上では「横暴すぎる」とファーウェイを批判する声が噴出した。
中国でファーウェイは「愛国企業」の代表格として扱われてきた。一方、表向きは民間企業とされているものの、中国共産党や政府との深いつながりは広く知られており、事実上、党・国家を背後に持つ企業と認識されている。
そのため今回の動画削除は、単なる企業の対応ではなく、背後にある権力による「言論封じ」と受け止められ、それまでくすぶっていたファーウェイや権力への不満が一気に噴き出した。こうして「竹ゼミ」は、単なるネット上の笑いから、反発の象徴へと変わっていった。
なぜ一つの竹製玩具がここまで大きな騒動になったのか。その背景は前回記事『ファーウェイと「竹ゼミ革命」 「ワーワー」に託された権力への怒り』で詳しく紹介している。
そして今回、騒動は「動画だけでなく、ついに現物まで封じるのか」という新たな段階に入り、ネット上の反発はさらに強まっている。
だが、竹ゼミそのものを買えなくしても、すでに別の物を使った風刺が広がっている。この勢いは、簡単には止まりそうにない。
実際、竹ゼミを使った動画が削除されると、ネットユーザーはその代わりに、鍋ぶたやペットボトルのふた、工具、薬瓶など、身近にある物を竹ゼミのようにくるくる回し始めた。
すでに、竹ゼミがなくても、何かをくるくる回せば「ファーウェイをからかっている」と通じるようになっているのだ。一時は関連する新規動画が1日で3千本を超え、誰でも参加できるネット上の「全民ネタ」へと広がった。
つまり、竹ゼミという「物」を消しても、すでに人々の間で共有された「ネタ」までは消せない。
「ワーワー」を封じようとするほど、皮肉にも別の「ワーワー」が広がっていく。
この勢いを見る限り、「竹ゼミ」はすでに単なる流行を超え、2026年の中国社会を映す言葉の一つになりつつある。

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