「老眼で見えないので、スマホの文字を読んでもらえませんか」。
そんな何気ない頼み事が、詐欺の入口になるという。
中国で今、通行人にスマートフォンの数字や文章を読み上げさせ、その顔と声をAIで複製する新手の詐欺が話題になっている。
中国メディアによると、上海では8月13日、女性が見知らぬ高齢者からスマホ画面を読んでほしいと頼まれた。だが画面には「私は内容を理解し、同意します」といった、ただの読み上げとは思えない文言が並んでいた。女性は不審に思い、読まずにその場を離れた。
こうした手口は中国各地で確認されているという。詐欺グループは「老眼で見えない」などと通行人に声をかけ、スマホに向かって数字や文章を読ませ、その顔と声を録画する。それをAIで加工して本人になりすまし、ネット融資などの本人確認を突破して金を借りるという。
被害者は自分では何も契約していないため、後になって借金の督促を受け、初めて異変に気づく恐れがある。複製された声が、家族や友人をだます別の詐欺に使われる可能性もある。
AI時代の詐欺で狙われるのは、財布や暗証番号だけではない。「ちょっと読んであげる」という数秒の親切から、顔と声まで盗まれる時代になっている。
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