河北省で、白菜の買い付け業者が鮮度を保つため、違法にホルムアルデヒド溶液(ホルマリン)を使用していたことが話題になった。問題を受け、中国各地の当局は相次いで、問題の白菜が地元市場に流入したとの見方を否定している。しかし、官製メディアはすでに2012年、白菜の鮮度保持にホルムアルデヒドを使う手法が業界で常態化していると報じていた。
中国メディア「澎湃新聞」によると、8月23日、康保県など張家口市内の複数の自治体が、野菜の品質や安全をめぐる違法行為について、報奨金付きで情報提供を呼びかけた。
これに先立ち、中国のブロガー「漁猟斉哥」は8月22日に動画を投稿。康保県屯墾鎮で白菜を積んだ複数のトレーラーを見て回ったところ、積み込む前の白菜をホルムアルデヒド溶液に浸し、鮮度を保っているのを確認したと伝えた。
現場の関係者によると、これらの白菜は江蘇省宿遷市の農産物市場に運ばれる予定で、ホルムアルデヒド溶液をつけて2~3日間、鮮度を保てるという。
ホルムアルデヒドは工業用の化学物質で、大量に摂取すると腹痛や嘔吐、腎臓障害を引き起こし、重症の場合は命に関わることもある。
動画はネット上で急速に拡散した。こうした動きを受け、康保県政府は同日、初期調査の結果、動画の内容は事実だったと発表した。買い付け業者が輸送中の鮮度を保つために行った違法行為だとし、公安当局が関係者や車両に対して強制措置を講じたほか、問題の白菜の流通先を追跡し、県内の野菜の買い付け、輸送、販売の各段階を全面的に調べている。
問題の白菜が市場に出回ったのではないかと懸念する声が広がる一方、各地の当局は相次いで流入を否定した。
北京市豊台区政府は、8月22日夜までに全面的な調査を行った結果、問題の白菜は北京新発地市場には流入していないと発表した。
宿遷中合農産品市場発展有限公司(中農批宿遷市場)は8月23日夜、WeChatの公式アカウントで、8月21日正午に「河北省康保県から運ばれた白菜1台分がホルムアルデヒド溶液が使用されていた疑いがある」との通報があったと発表した。通報者の立ち会いのもと、問題となった白菜を2回簡易検査したところ、いずれも検査結果は「合格」だったとしている。
江蘇省広播電視総台によると、南京衆彩野菜市場には1日平均約150トンの白菜が入荷し、山東省、甘粛省、内モンゴル自治区、河北省などから仕入れている。8月22日、市場は販売中または販売前の白菜について全面的な調査と抜き取り検査を開始した。計53ロットを検査したが、ホルムアルデヒドなどの有害物質は検出されなかったという。同市場は張家口市康保県産の白菜の入荷を全面的に禁止したとしている。
中国共産党の体制に詳しい中国問題専門家の李林一氏は、「今は各地の当局がこぞって問題との関係を否定し、自分たちに火の粉が及ぶのを避けようとしている。しかし、当局が発表するいわゆる調査結果は信用できない。実際、このような問題は業界では以前から秘密でも何でもなかった」と述べた。
2012年5月初めには、複数の官製メディアが、山東省青州市などで、野菜業者が白菜を長距離輸送する際、鮮度を保つためにホルムアルデヒド溶液をスプレーしていると報じていた。
新華社や「瀟湘晨報」の2012年5月の報道によると、複数の野菜業者は、白菜にホルムアルデヒドをスプレーして鮮度を保つ方法がすでに3~4年前から使われ、各地で同様の方法を行っていたと証言している。
野菜業者の趙明利氏は、知り合いの業者が山東省や河北省など各地で春白菜を買い付け、その多くがホルムアルデヒドを使って鮮度を保っていたとし、「河北省張北県で白菜を買い付けた時も、同じようにスプレーしていた」と話していた。
当時の報道は、ホルムアルデヒドを長期間吸入すると白血病を引き起こす恐れがあり、男性が長期間吸入した場合、精子の奇形を引き起こす可能性があるとも伝えていた。
当時すでに業界関係者から、当局はホルムアルデヒドの使用を監視・規制する仕組みを早急に整え、鮮度保持剤の乱用を厳しく取り締まるべきだとの指摘が出ていた。
2015年6月には、河北省定州市の野菜卸売市場でも、業者が白菜の鮮度保持や腐敗防止のためにホルムアルデヒドを使用していた問題が明らかになった。
2026年8月23日には、あるブロガーが、以前から食品業界の関係者が動画で、さまざまな食品の防腐にホルムアルデヒドを使っており、業界では公然の秘密になっているものの、長年ほとんど問題にされてこなかったと指摘した。
あるネットユーザーは過去の報道を転載し、次のようにコメントした。
「14年が過ぎ、携帯電話が何世代変わったかも分からないのに、白菜の鮮度保持はいまだにホルムアルデヒドのままだ。本当に怖いのは、今回見つかった白菜ではなく、カメラに映らなかった白菜だ。庶民は白菜を買って家で料理するのであって、化学実験をするために買うのではない」
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