20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、2日間の日程を終えて閉幕した。成果文書は共同声明ではなく、議長総括として公表された。重要鉱物やサプライチェーン、途上国の債務再編に関する記述について、中国が賛成しなかったことが文書に明記された。
会合後、日本銀行の植田和男総裁と共同記者会見に臨んだ片山財務相は、中国の不賛成が明記されたことについて、「これまで紙の上では書かなかったことがはっきりした」と述べた。
中国以外の参加国は賛成
片山氏は、議長総括で中国の不賛成が示された部分について、「G20に参加した中国以外のメンバー国はみんな賛成した」と説明した。ロシアを含む参加国も反対しなかったとし、「中国以外のほとんどがコンセンサスだった。ちょうど議論が熟したのかなと思う」との認識を示した。
これまでは参加国間に意見の相違があっても、成果文書に具体的な対立点を明記しないことが多かった。今回は共同声明ではなく議長総括とすることで、中国が賛成しなかった項目を文書に盛り込んだ。片山氏は今回の取りまとめについて、「アメリカの非常にタクトフル(巧み)な進行・運びであった」と述べ、議長国である米国の対応を評価した。
債務再編の迅速化求める
会合2日目には、途上国の債務問題が主要議題となった。日本は、債務の透明性向上と再編手続きの迅速化を求めた。片山氏は「共通枠組みに基づく債務の再編プロセスの迅速化や、予測可能性の向上が極めて重要である」と強調。また、日本が2023年に主要7か国(G7)議長国を務めた際に始めた世界銀行の債務データ共有の取り組みについて、全てのG20メンバーが参加すべきだと主張したことを明らかにした。
開発途上国の債務再編を巡っては、債務管理の透明性や交渉の停滞が課題となっている。今回の議長総括では、中国が関連する記述に賛成しなかったことが明示された。
植田総裁「物価上昇率は2%に接近」
共同記者会見に出席した植田総裁は、今後の金融政策について、基調的な物価上昇率を2%の目標に着地させ、その水準を維持することが重要だとの認識を示した。
植田氏は、アベノミクス期について「当時は現実の物価上昇率が非常に低いところにあり、2%目標に向けてそれを持ち上げていくことが当面最大の課題であった」と説明した。
その上で、「現状では、基調的な物価上昇のトレンドがかなり2%に近づいてきている」と述べ、当面の目標について「スムーズに2%に着地させ、そこで維持することが非常に重要になってくる」と語った。
追加利上げの時期やペースを巡っては、7月の金融政策決定会合以降に公表された経済データが、おおむね日銀の見通し通りに推移していると説明した。
一方、これまで計5回ほど実施した利上げの影響が今後累積的に表れる可能性があるとして、その効果を慎重に見極める必要性を指摘した。中東情勢や為替相場の変動による物価の上振れリスクなども注視し、「次回会合を含め、毎回の決定会合においてしっかりと議論していきたい」と述べた。
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