政府は10月9日、首相官邸で「第3回租税特別措置・補助金・基金の徹底見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議」を開き、歳出削減に向けた「日本版DOGE」の見直し対象に、従来の租税特別措置や補助金に加え、基金を正式に追加した。
2025年度末時点で約17兆円に上る基金残高を含め、政策効果の乏しい事業を精査し、2027年度予算編成で歳出の重点化を図る方針を確認した。
日本版DOGEは、租税特別措置や補助金などの政策効果を検証し、無駄な歳出を削減する取り組みである。今回、会議の名称にも「基金」を加え、見直しの対象を拡大した。従来の租税特別措置の見直しでは、廃止の方向性が示されたのは3件にとどまっており、取り組みの実効性が課題となっていた。
財務省の試算によると、基金全体の残高は2025年度末時点で約17兆円に上る。2026年度末には約11兆円、2027年度末には約7兆円へ減少する見通し。政府は基金の運用状況や政策効果を検証し、歳出改革を一段と進める考えだ。
各府省庁の自己点検、予算への反映不十分
会議を主宰した木原内閣官房長官は、4月に片山さつき財務相からの要請を受けて各府省庁が実施した自己点検について、結果が予算要求や要望に反映されているとは「決して十分なものではない」と指摘した。
その上で、2027年度予算では、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」を具体化するための予算編成改革に取り組む方針を示した。
政府は、伸ばすべき歳出と見直すべき歳出を厳格に区別し、民間投資を誘発する効果の高い施策に財源を重点配分する考えである。既存事業への予算配分を継続するのではなく、政策効果を踏まえて必要性を検証し、財政支出の効率化を進める。
消費税減税や防衛費増額、財源確保が課題
歳出改革の背景には、高市政権が掲げる政策の実現に向けた財源確保の課題がある。
政府は2027年4月から、飲食料品に適用する消費税率を現行の8%から1%に引き下げる方針を掲げているが、具体的な財源は定まっていない。さらに、高市早苗首相が重視する成長投資や防衛力強化に伴い、歳出の増加も見込まれている。
高市政権は9月の第2次改造内閣発足以降、金融市場に配慮する姿勢を強めており、財政政策の持続可能性と市場の信認を維持することが重要な課題となっている。
租税特別措置や補助金に加え、基金の見直しによって実際にどれだけの財源を確保できるかが、今後の予算編成に影響することになる。
年末に向け見直しを深掘り
片山財務相は会議後、「日本版DOGEは強い経済の構築と財政の持続可能性を両立する高市内閣にふさわしい予算、税制を作りあげていくために必要不可欠な取り組み」と述べ、歳出と税制の両面で徹底的な見直しを進める考えを示した。
今後は、政府が示す「基本的な考え方と見直しの着眼点」に沿って、遠藤補佐官や与党とも連携し、年末に向けて見直しを深掘りする方針だ。
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