誘拐され、脅されて借金を背負わされた。金はすべて犯人たちに奪われ、本人は一銭も使っていない。
それなのに、救出後も返済を求められる。中国で、そんな理不尽な事件が波紋を広げている。
中国の俳優・王星さんは2024年末、偽のドラマ出演依頼にだまされ、タイからミャンマーの特殊詐欺拠点へ連れ去られた。
そこで顔認証によるオンライン融資を強要され、人民元で数万元(日本円で100万円前後)の借金を背負わされた。金はすべて犯罪組織の手に渡った。
2025年1月に救出され帰国したが、借金は消えず、恋人から金を借りて返済するほど生活が苦しくなったという。
日本では、脅迫によって結ばされた借金の契約は法律上取り消すことができる。中国にも同様の制度がある。しかし、法律があっても、現実にはそう簡単に救われない。
王さんの誘拐事件は中国国営テレビでも詳しく報じられ、借金を強要された経緯も広く知られている。それにもかかわらず、王さんは今も返済を迫られている。王さん本人はインタビューで、恋人から金を借りてまで返済を続けている苦境を明かした。
こうした理不尽な現状に、世論も反応した。10月13日には「王星さんが脅されて背負った借金は返すべきなのか」という話題が中国のSNSでトレンド入り。「なぜ被害者が返済しなければならないのか」と怒りの声が相次いだ。
有名人でさえこのありさま。では、世間に知られることもなく、声を上げる手段さえ持たない一般の被害者たちは、いったいどうやって救われるというのか。
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