「マイナンバーは大丈夫なのか」河村たかし氏 相次ぐ不正アクセス被害受け デジタル庁に追及

2026/10/22
更新: 2026/10/22

不正アクセスによる個人情報等の漏えい事案が相次ぐ中、無所属の河村たかし衆院議員は10月21日の衆議院財務金融委員会、マイナンバー制度を巡る情報漏洩のリスクについて質疑を行い、デジタル庁に対し制度の安全性をただした。

最近、企業や組織が管理する個人情報を狙った不正アクセスやサイバー攻撃、情報流出などが相次ぎ、個人情報の保護と情報管理体制のあり方が改めて問われている。デジタル化によって行政サービスの利便性が高まる一方、個人に関する情報が電子的に取り扱われる範囲は広がっており、ひとたび情報が流出した場合の影響も小さくない。

こうした状況を踏まえ、河村氏は21日、衆議院財務金融委員会で、民間企業などで個人情報の漏洩が相次いでいる現状を取り上げ「情報漏洩が最近は毎日のように出てくる」と指摘。そのうえで、「マイナンバーは大丈夫なのか」と問いかけた。

さらに、河村氏は住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の時代から、個人情報を番号で管理する仕組みに批判的な立場を取ってきたと説明。マイナンバー制度についても、国家による情報管理の範囲が拡大することへの懸念を示し、「社会主義的な政策であり、自由主義経済に大きな害を与える」と指摘した。

その上で、上仮屋(かみかりや)審議官に対し「民間で起きているようなことは、マイナンバー及びマイナンバーカードでは起きないと断言してほしい」と求めた。

デジタル庁が説明した「分散管理」と「情報連携」の仕組み

これに対し、上仮屋尚審議官は、マイナンバー制度では、個人情報を一つの巨大なデータベースに集約して管理する方式を採用していないと説明した。

行政機関などが保有する情報は、それぞれの機関が分散して管理する仕組みとなっている。また、機関間で情報を連携する際には、機関ごとに異なる符号を使用することで、ある機関が保有する情報を手掛かりに、別の機関の情報を容易にたどれないようにしているという。

こうした仕組みは、仮に一つの機関で情報管理上の問題が生じた場合でも、他の機関が保有する情報まで一挙に流出するリスクを抑えることを目的としている。情報を一か所に集約しないことによって、被害が広範囲に及ぶ可能性を低減するという考え方だ。

上仮屋審議官は、最近報道されているような個人情報漏洩事案について「マイナンバーに関しては報告を受けていない」と答弁した。

ただし、この答弁は、政府が把握している報告状況について説明したものであり、将来にわたって情報漏洩が発生しないことを保証したものではない。河村氏が求めたのは、制度上の安全対策や現時点での報告状況の説明にとどまらず、情報漏洩が起きないと明確に言い切ることだった。

河村氏は、上仮屋審議官の答弁に対し、「報告を受けていない」という表現ではなく、「絶対大丈夫」だと言い切るよう重ねて要求した。

医療情報や財産情報まで扱う制度、そのリスクはどこまで許容されるのか

河村氏はさらに、マイナンバー制度が財産に関わる情報だけでなく、医療分野とも連携する仕組みになっている点に言及した。

「どんな病気にかかったか、どんな薬を飲んだか、そうした情報まで漏れたら大変なことになる」と述べ、個人の病歴や服薬情報などが外部に流出する事態への懸念を示した。

医療情報は、住所や氏名などの基本的な個人情報とは異なり、本人の身体的な状態や治療歴、生活上の事情に直結する。情報の内容や流出の状況によっては、本人のプライバシーが侵害される恐れもある。

財産に関する情報についても、資産状況や所得などが不適切に利用されれば、詐欺や標的型の犯罪などに悪用される可能性がある。個々の情報だけでは大きな問題がなくても、複数の情報を組み合わせることで、個人の生活や行動が詳細に推測される危険性も否定できない。

もっとも、マイナンバー制度そのものが、あらゆる医療情報や財産情報を一つの場所に集約し、誰でも一括して閲覧できる仕組みになっているわけではない。どの情報が、どの機関によって保有され、どのような条件で連携されるのかを区別して考える必要がある。

河村氏は、こうした情報が外部に流出することはないと断言するよう重ねて求めた。これに対し、上仮屋審議官は「新たに集中的なデータベースを構築するものではない」と改めて説明し、分散管理を基本とする制度設計を強調した。

河村氏はまた、マイナンバー制度そのものへの批判も改めて展開した。その後、指名を受けて再び立ち上がった河村氏は、「いずれ、この制度は間違っていたとわかる時代が来る。こんな仕組みを作らず、使い道を限った番号にしておけばよかった、と言われるようになるはずだ」と述べた。

河村氏は最後に、将来、制度が誤りだったと判明した場合には謝罪が必要になるとの考えを示し、質疑を締めくくった。

エポックタイムズ記者。日本の外交・防衛をはじめ、国内外の時事問題を中心に執筆しています。