中国の政府機関で、職員のスマートフォン持ち込みを禁止する厳しい措置が取られていると、体制内関係者の証言で明らかになった。
関係者によると、機密情報の流出を防ぐため、各部門に対し「職員はスマートフォンをオフィスに持ち込まないこと」とする厳格な通知が出されたとされる。あわせて、プリンターなどの機器についても、インターネットに直接接続しないよう求められているという。
具体的には、職員は出勤時にスマートフォンを入口で預け、オフィス内では有線電話のみを使用。複数端末の持ち込みを防ぐためのチェックも強化されている。
外交や国防関連の部署では管理がさらに厳しく、ネットから完全に切り離したパソコンのみ使用しているとの証言もある。
元公務員は「ここまで厳しい規制はこの10年で最も強い」と指摘する。以前は一部の外国製スマートフォンのみが対象だったが、現在は機種を問わず対象となっているという。
こうした措置の背景には、中国のスーパーコンピューター拠点(天津)で大規模なデータ流出が起きた問題があるとみられる。
専門家は、この規模の流出は外部からの侵入だけでは説明が難しく、内部関係者の関与を疑っていると指摘する。スマートフォンはカメラやマイクを備え、情報を持ち出す手段として利用する恐れがあるため、持ち込み禁止に踏み切った可能性がある。
また、各地の政府機関では、当局の指示を受けてネットワーク管理の見直しも進めている。職員向けには新たな情報セキュリティ研修を実施し、不審なメールの見分け方や、許可のないVPN(インターネット通信を暗号化し、海外サイトなどにアクセスできる仕組み)の使用制限などを重点項目としている。
こうした動きは中央だけでなく地方にも広がりつつあり、海外との通信やデータ接続も厳しく制限し始めている。
今回の措置は、内部からの情報流出を強く警戒した異例の引き締めとみられ、中国当局の危機感の強さがうかがえる。
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