米連邦捜査局(FBI)は6月17日、ホワイトハウスで開催予定だった総合格闘技大会「UFC」の試合を標的とした大規模なテロ計画を阻止したと発表した。FBIは事前に情報を入手し、全米規模の合同捜査を展開した結果、複数の容疑者を逮捕し、計画を未然に阻止したとしている。バンス副大統領は、この事件の背後には「黒幕が存在する」との見方を示した。
FBIのパテル長官は17日、6月15日にホワイトハウス南庭で開催予定だったUFC大会を標的とするテロ計画を阻止したと明らかにした。
FBIは6月10日、イベント開催の4日前に関連情報を入手し、全米少なくとも12か所の支局が参加する合同捜査を開始した。
捜査当局によると、16日までにオハイオ州やカリフォルニア州、ミズーリ州、ネブラスカ州で少なくとも5人を逮捕したほか、計画に関与した疑いのある23人を特定した。
FBI捜査官が容疑者らの暗号化通信アプリ「シグナル」の記録を解析した結果、攻撃対象として「資本主義エリート」「億万長者」、さらに「米国イスラエル公共問題委員会(AIPAC)」から献金を受けた政治家らが挙げられていたという。
この計画について、バンス副大統領は過激な左派勢力による暴力扇動を厳しく非難した。
バンス氏は「極左勢力による扇動的な言説が人々を暴力へと駆り立てている。彼らは議論や説得、選挙による政治的対抗ではなく、直接的な暴力に訴えるよう人々を導いている」と述べた。
法執行当局によれば、容疑者グループはインターネット上での過激な主張にとどまらず、実際の実行段階へと移行しており、計画は綿密かつ高い殺傷能力を伴うものだったという。
捜査関係者によると、計画は二段階の攻撃から構成していた。
第1段階では、爆発物を搭載した無人機(ドローン)を用いてホワイトハウス周辺の建物を攻撃し、大規模な混乱を引き起こす計画だった。その後、避難する群衆をあらかじめ配置した狙撃地点へ誘導し、銃撃することを想定していた。
さらに混乱に乗じて第2段階としてホワイトハウスへの突入を図る計画だった。
この計画が事前に発覚したきっかけは、19歳の容疑者の家族による通報だった。
起訴状によると、オハイオ州在住の19歳のタイセン・プロパー容疑者の母親は6月10日、息子が最近になって大量の銃器を購入し、インターネット上で正体不明の人物と秘密裏に連絡を取っていることを不審に思い、自ら警察へ通報した。
父親もその後、息子が仕事を辞め、ネット上で知り合った仲間と「任務」を実行するため外出する準備を進めていたと警察に説明した。
家族は自発的に武器類を警察へ引き渡した。捜査当局は現場で、プロパー容疑者が3千ドルの卒業祝い金を使って購入した数千発の弾薬、大量の弾倉、戦術用防弾ベスト2着、ライフル2丁を押収したとしている。
バンス副大統領は、今回の事件の背後には組織的な支援者が存在するとの見方を示し、当局が関係ネットワークの解明を進めていると明らかにした。
バンス氏は「23人もの人物が、多額の資金や綿密な調整なしに首都ワシントンへの大規模テロ攻撃を計画できるはずがない。当局は現在、こうした調整や支援を行ったネットワークを追跡している。これは明らかにテロ攻撃の陰謀である」と述べた。
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