元海自幹部「中共のグレーゾーン戦術への対応 日本が主導すべき」

2026/10/21
更新: 2026/10/21

日本の元海上自衛隊幹部は10月20日、日本は米国と同盟関係にあるものの、中国(中共)が日本の沿岸領土で展開する「グレーゾーン」戦術への対応は、日本が主導しなければならないと述べた。

米軍事ニュースメディア「星条旗新聞」によると、元海上自衛隊幹部の山本勝也氏は同日、東京の日本外国特派員協会で中共の「グレーゾーン」戦術について語り、この見解を示した。

「グレーゾーン」戦術とは、通常の外交と公然たる武力衝突の中間に位置する圧力手段を指す。こうした行動は通常、直接全面戦争には至らないが、軍事活動や海上巡航を繰り返し、継続的に圧力をかけることで、地域の安全保障環境を徐々に変えていく。

山本勝也氏は現在、東京の笹川平和財団の上席研究員を務めている(笹川和平財團)

山本氏は海上自衛隊の護衛艦艦長や将官を務め、現在は東京の笹川平和財団の上席研究員を務めている。

日米は現在、共同演習「キーン・ソード」を実施している。日米の隊員約5万6千人に加え、ほかの7か国の部隊が参加する。日本の防衛能力を演練するもので、10月29日まで続く。

山本氏は「日米が頻繁に共同演習を行っていることを、中国(中共)は注視するだろう。これは、特に軍事面で強い抑止効果がある」と述べた。

一方、中国(中共)のグレーゾーン活動への対応では、日本が主導的な役割を果たすべきだと強調した。

「これは日本による対応でなければならない。米国は日本の対応を支援できるが、米国が最前線に立つ必要はないと考える」と述べた。

中共艦艇、日本周辺海域を繰り返し通過

山本氏は、中国(中共)海軍が日本の南西諸島周辺の水道を繰り返し通過していることを例に挙げ、中共側が国際法で船舶の通航が認められている海域を利用し、海軍の活動を拡大し続けていると指摘した。

統合幕僚監部は10月16日、中共海軍の空母「遼寧」の空母打撃群が宮古海峡を通過したと発表した。日本はこれに対応し、護衛艦や哨戒機、戦闘機を出動させた。

日本側の資料によると、遼寧は石垣島の南約155マイルの海域で艦載機の発着を行った。この海域は日本の排他的経済水域(EEZ)内にある。

また、日本側の資料によると、9月には中共のミサイル駆逐艦1隻とフリゲート艦1隻が、沖縄の北にある奄美大島と横当島の間の海峡を通過した。

山本氏は、中国(中共)海軍がこれらの水道を繰り返し通過することで、日本の監視・対応活動を観察し、現地の海上環境に習熟できるほか、周辺住民に心理的な圧力を与える可能性もあると指摘した。

最も重要なのは、こうした行動が同地域における中共の軍事活動の常態化につながることだという。

戦場環境への習熟を図る中共

山本氏は、中共軍が2025年12月に台湾周辺で実施した軍事演習にも言及した。中共側は台湾封鎖を演練する行動として宣伝したが、第一列島線の支配という構想にも関わるものだった。

第一列島線は西太平洋で地理的、戦略的に重要な位置を占め、日本の南西諸島から台湾、フィリピンへと連なる。

山本氏は、台湾海峡で軍事衝突が起きれば、沖縄の基地だけでなく、日本国内の全ての米軍基地が中共の攻撃対象になり得ると警告した。

また、中共軍は狭い海峡や無人島の周辺を繰り返し航行し、地域の状況に習熟していると指摘した。これらの場所には自衛隊の部隊が駐屯していない。

「こうした経験によって、中国(中共)は近隣の島々に無人システムや、さらには特殊部隊を展開しやすくなる可能性がある」と述べた。

山本氏によると、中共は軍事目標の達成に向けて社会全体を活用する用意があり、その対象は漁船だけでなく、民間航空会社、貨物船、海運会社、港湾運営事業者にも及ぶ。

日本の対応も自衛隊だけに頼るべきではなく、海上保安庁、地方自治体、民間部門、同盟国やパートナーも含めるべきだと付け加えた。

 

責任編集:任子君

王蘭