米軍、NYとシアトルで仮設病院設置へ 新型コロナに対応

2020/03/24
更新: 2020/03/24

[ワシントン 23日 ロイター] – 米国防総省は23日、新型コロナウイルス感染拡大が最も深刻なニューヨーク、シアトル両市で野戦病院として使う仮設病院を設置するため、米軍が準備していると明らかにした。エスパー国防長官はまた、新型コロナ流行で軍の即応力に影響が出る可能性を初めて認めた。

米軍はこれまで、ロサンゼルスとニューヨークに病院船を派遣し、陸軍工兵隊にホテルや大学の寮を一時的な医療施設に改修する任務を負わせている。最終的には、数万人の州兵が政府の新型コロナ対策を支援するため、全米に配置されるとみられる。

米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長によると、国防総省は10の遠征部隊に仮設病院の設置に向けて準備するよう命じた。現地の既存施設で新型コロナ感染者の治療を行い、軍の仮設病院では心的外傷など通院が必要な患者の治療に当たる方針だと説明した。

一方、エスパー長官は国防総省本庁舎でセキュリティーを強化すると発表。前日は同省の傘下機関で新型コロナウイル感染による初めての死者が報告された。

エスパー氏によると、これまでに軍関係者133人の感染が確認された。ミリー氏は、このうち11人は入院が必要なケースだと述べた。

両氏ともに、感染者が増え、軍事演習が取りやめとなることで、紛争や危機が発生した場合の軍の即応力に影響が出る可能性があると認めた。

エスパー長官は、新型コロナによる軍兵士への影響は今後大きくなると予想。「即応力に一定の影響があるかもしれないが、国家安全保障上の任務遂行能力に影響は出ないだろう」と語った。

Reuters
関連特集: 国際