2021年1月15日にニューデリーで行われたインドの第73回陸軍記念日を祝う式典で、インド軍はドローンを飛ばして技術を披露した(PRAKASH SINGH/AFP via Getty Images)

印軍ドローン群、レーダー混乱誘う 戦場戦術を開発進める

画期的な技術を活用するインドの防衛イニシアチブでは、小型無人航空機(UAV)が重要な要素となっている。

インド陸軍と空軍は人工知能(AI)を使用して、敵のレーダーを混乱させる「群れ戦術」や敵の無人航空機の方向感覚を失わせるGPS「音信不通」といった戦場戦術を実行できる無人航空機を開発している。こうした無人航空機は業界の提携企業・機関と共同で開発されており、インド国内で製造される。

インド国防省の発表によると、インド軍は「陸軍の戦闘哲学と技術の軍事的属性との間の収束を達成する」ことを目的として人工知能、自律型兵器システム、量子技術、ロボット工学、クラウド演算、アルゴリズム戦争などの技術に投資しており、同プロジェクトもこの一環となる。提携企業・機関には民間企業、国営企業、学術機関が含まれる。

インド工科大学(IIT)マドラス校の発表では、同校のチームが人工知能に対応した無人航空機を開発した。これは敵の無人航空機の方向感覚を失わせ無力化するように設計されている。地上配備の人工知能を用いて敵の無人航空機を識別・追跡するインド無人航空機から、偽の全地球測位システム(GPS)座標を伝搬する信号が発信されることで、敵の無人航空機が軌道から外れるという仕組みである。

同校の説明によると、敵の無人航空機が重要な民間施設や軍施設を監視している場合など、法執行機関、治安機関、軍隊は空域を安全に維持することを目的として無人航空機を用いることもできる。

インド陸軍記念日に当たる2021年1月15日、ニューデリー近辺の東部地域で無人航空機の「群れ作戦」(写真参照)のデモが実施された。インド国防省の報道官は、「今回のデモにより、インド陸軍が将来的な安保課題に対応することを目的として、人的資源に頼る軍隊から技術搭載軍隊へと革新を図る上で業界に旋風を巻き起こすような新興技術を着実に取り入れていることを実証できた」と述べている。

書籍「Swarm Troopers: How Small Drones Will Conquer the World(仮訳:スウォームトルーパー:小型ドローンが世界を征服するとき)」の著者であるジャーナリストのデビッド・ハンブリング(David Hambling)氏によると、戦場においてはさまざまな小型無人航空機の利用方法がある。無人航空機の「群れ作戦」により敵のレーダー画像が難読化するだけでなく、これは「空飛ぶ地雷原」としても機能するため従来型の弾道ミサイルよりも防御が難しくなる。

ハンブリング著者はFORUMに対して、「無人航空機は有人機よりもはるかに安価に開発、構築、運用でき、人間のパイロットを失うリスクなしに飛行させることができる。そのため危険な任務に非常に適している」と説明している。

シリア空軍基地でロシアのジェット機が反乱軍の攻撃を受けた事件のように、弾道弾頭を搭載した小型無人航空機ははるかに大規模な敵資産の攻撃に使用できると、同著者は付け加えている。

インドの技術イニシアチブにより、同国はより高いメリットを得られる可能性があると述べた同著者は、中規模程度の航空宇宙部門しか持たないイスラエルとトルコが無人航空機の主要輸出国となっている現状を挙げ、「これは大規模な航空宇宙部門を有しない国が優位となる分野である」と話している。同著者の説明によると、インドが無人航空機を国内生産すれば技術が敵に侵害されるリスクが低下することから、同国はより良好に技術を管理できるようになる。

(Indo-Pacific Defense Forum)