大紀元時報

ASEAN軍隊、パンデミックを経て価値高まった=報告

2021年5月19日 21時00分
2018年のインドネシアの中部スラウェシでの津波発生後に軍用機から救援物資を降ろす兵士(ロイター)
2018年のインドネシアの中部スラウェシでの津波発生後に軍用機から救援物資を降ろす兵士(ロイター)

東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の軍隊は、自然災害が発生した際に人道支援と災害救援を提供する上で常に重要な役割を果たしてきた。最近のシンクタンクの報告によると、この重要な軍事行動は被災者の生命と生活を救うために強化できる可能性があると示唆している。

国連は人道危機に対処するために軍隊を利用することは最終手段であるべきだと推奨しているが、2021年1月のオーストラリアのローイー・インスティテュート(Lowy Institute)のリサーチアナリストS・ナンティーニ(S. Nanthini)氏の報告書によると、軍隊の物流と物資の迅速な展開・供給能力により、この地域の軍隊はしばしば初期対応者として活動している。

報告書はさらに、「新型コロナウイルス(COVID -19)パンデミックで資源が不足し、国際的な支援が減少している」ため、軍隊の価値はさらに高まったと付け加えた。

ナンティーニ氏は、「人道災害救援を含む地域の従来とは違なる、安全保障上の脅威に対処する」ためにASEAN加盟国間の軍事協力を強化することを推奨した。

シンガポールにあるS・ラジャラトナム国際学大学院(S. Rajaratnam International School of Studies)のアンジェロ・パオロ・ルナ・トリアス(Angelo Paolo Luna Trias)氏とアリスター・D.B.・クック(Alistair D.B. Cook)氏が2020年10月に発表した報告書によると、ASEAN加盟国の軍隊の協調的対応はフィリピンにおける2017年のマラウィ紛争、インドネシアにおける2018年の中部スラウェシの津波、そして現在進行中のパンデミックにおいて不可欠であると証明されたと書いている。

トリアス氏とクック氏は、東南アジアにおける緊急事態および災害対応管理(DRM)活動にとって軍隊は不可欠であると述べている。「緊急事態とDRMの対応におけるASEANの進歩は、地域内外の災害に対する迅速かつ集団的な対応に向けて進むという壮大な[一つのASEAN一つの対応](OAOR)ビジョンにつながっている。」

ハワイのダニエル・K・イノウエ・アジア太平洋安全保障研究センター(Daniel K. Inouye Asia-Pacific Center for Security Studies)のディオン・キャニオン(Deon Canyon)教授が率いる2020年6月の研究報告書によると、ASEAN軍事即応グループ(AMRG)は2016年に「ASEAN地域の災害に対してASEAN加盟国の軍隊を統合するためのスタンバイ・メカニズム」として正式化された。

キャニオン氏の報告書には、現地の初期対応者および初期対応を担当するASEANおよび国連事務所に対するAMRGの関係、役割および責任に関するガイダンスが記載された運用慣行のセットがあると書いている。「AMRGの目的は、ASEAN加盟国の軍隊を被災地域へ迅速に展開する準備をすることである。AMRGへの参加は柔軟で、拘束力がなく、自発的である」。

同報告書には、国境を越えた軍隊の展開により「重量物の運搬、輸送、エンジニアリング、通信、その他さまざまなギャップを埋める支援などの軍隊だけが提供できる重要な救命活動」を被災者に提供できる可能性があると記されている。 

(Indo-Pacific Defence Forum)

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