2021年7月21日、シカゴのウエストサイドで起きた銃撃事件の現場を調査する警察官たち(Anthony Vazquez/Chicago Sun-Times via AP)

米国、20年の殺人件数が3割増 BLM運動など背景か

米連邦捜査局(FBI)は9月27日、2020年に米国で発生した殺人件数が前年に比べて29.4%増加したと発表した。これは1960年代に統計を取り始めて以来、1年間における最大の増加率だ。

報告書によると、米国の2020年の殺人件数は約2万1500人で2019年に比べて4901件増加した。このうち銃による殺人が77%を占めた。殺人や強盗など暴力犯罪件数は5.6%増の約127万8000件となった。いっぽう、窃盗などの財産罪件数は8%減少した。

FBIのデータによると、人口25万人以上100万人未満の都市よりも、人口1万人以上25万人未満の都市の方が、殺人事件の発生率が高いことがわかった。

ノースイースタン大学の犯罪学教授ジェームズ・フォックス氏は、米国紙USAトゥディに対し、2020年における殺人事件の急増は長期的な傾向を示すものではないと指摘。コロナウイルス対策や社会正義運動などをめぐり、米国が分断されていたのが要因の一つだと述べた。

警察団体は、ジョージ・フロイド氏の暴行死をきっかけとする2020年の「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」運動や「アンチ警察」運動が犯罪件数が急増した背景にあると述べた。米警察友愛会(NFOP)は6月下旬、警察予算の打ち切りを求める運動が全国の殺人件数の増加と関係していると指摘した。

NFOPは、「一部の都市の市長は、法の支配を取り戻し、凶悪犯罪者を起訴しない不正な地方検事に反対する必要がある」とツイートした。また、NFOPのジョー・ガマルディ副会長は、現在の緩い保釈制度が暴力犯罪の疑いのある者を社会に野放しにしていると、米メディアのデイリー・コーラーに語った。

米司法省は7月、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、カリフォルニアのベイエリア、サクラメント、ワシントンなどで銃器の密売を重点的に取り締まる特別部隊を設置すると発表した。

(翻訳編集・徳山忠之助)