中国本土に進出した台湾企業の生産工場。イメージ写真(STR/AFP via Getty Images)

台湾企業、中国向け投資は10年間で半減

台湾専門家の最新研究によると、台湾企業の対外直接投資(FDI)総額に占める中国の構成比は、この10年間でおよそ半分に減少したことが分かった。

台湾の市民団体「経済民主連合」は13日、専門家を招いて、中国当局の「共同富裕」政策の下で、中国に進出した台湾企業の今後の対応に関するオンライン討論会を開催した。

台湾の最高学術研究機関、中央研究院の社会学研究所の林宗弘研究員は討論会に参加した。

林氏によると、1998年以降、台湾から莫大な資本が中国本土に流れた結果、台湾企業の大量倒産、失業者の増加、若者世代の収入減少、貧困人口の増加など、様々な社会問題が生じた。

同氏の研究では、1992年~2014年まで、台湾のFDI総額に占める中国大陸の構成比は毎年拡大していた。しかし15年以降、同構成比が年々減少に転じた。「この構成比は、習近平政権が発足した12年の61.2%から、現在33.3%に低下した」と同氏は述べた。

「一部の資本は東南アジアに向けられ、米国にも流れた。台湾企業が中国市場から資金を引き揚げている現状を表した。台湾企業だけでなく、各国の企業も中国からの撤退を急いでいる」

中国当局はすでに台湾企業への優遇措置を撤廃した。2007年以降、当局の政策の下で台湾企業は沿岸部ではなく、「経済発展が比較的に遅れている内陸部に追い払われた」と林氏は話した。

台湾メディアが毎年発表する「両岸三地(大陸・台湾・香港)大手企業1000社」ランキングでは、2007年に台湾企業356社がランクインしたのに対して、17年には124社、20年には108社まで減少した。

台湾企業はほぼ中国本土の赤いサプライヤーによって市場から排除されたと言っても過言ではない」

林宗弘氏は、台湾企業が中国大陸に資産を多く持てば持つほど、売上総利益率が逆に低くなるという現象を指摘した。

半導体製造大手の台湾積体電路(台積電、TSMC)の場合は、中国大陸における資産総額は同社全体の2割を下回る。同社の8割の資産は台湾に置かれており、従業員の大半も台湾にとどまっているため、人件費が比較的高くても、同社の売上総利益率は30%以上の水準を維持している。

電子機器の生産を請け負う企業、鴻海精密工業(フォックスコン、Foxconn)の中国本土にある資産は全体の2割を超えており、「中国本土に90万人以上の従業員を持つ」という。林氏によれば、2019年、フォックスコンの売上総利益率は2.2%まで下落した。

林氏は、大規模な電力使用制限、不動産企業の過剰債務、中国当局の「共同富裕」方針などが原因で、大陸に進出した台湾企業売上総利益率がさらに低迷し、「マイナスに転じる可能性がある」とした。同氏は、台湾企業に対して、中国進出に伴うリスクを改めて認識するよう訴えた。

いっぽう、同氏は「台湾の中国向け直接投資は減少しつつあるが、大陸と台湾の貿易関係が続く限り、FDI総額に占める中国の構成比は0%になることはない」との見方を示した。

「重要なのは、国家安全保障と経済安全保障の観点に基づき、投資のバランスをより良くすることだ」

(翻訳編集・張哲)