2019年5月に米国沿岸警備隊により国連制裁違反の疑いで拿捕され、米領サモアにある港に曳航される北朝鮮の貨物船ワイズ・オネスト(Wise Honest)号(AP通信社)

制裁を維持 国際的なパートナー、北朝鮮に対するパトロール増加

北朝鮮に対する国連制裁を施行するという多国間のコミットメントを強化するため、この数週間の間オーストラリア、カナダ、フランスと英国が日本および米国と提携して空中および海上パトロールを実施した。 

国連安全保障理事会は、「国際的な平和と安全に対する明らかな脅威」である核・弾道ミサイル計画を含む大量破壊兵器の開発を継続していることを理由に、北朝鮮に対して一連の貿易制限を課している。

ただし、国連安全保障理事会によると、北朝鮮は石炭の輸出や石油の輸入のために瀬取りなどの「欺瞞的な海事慣行」を利用している。 

これを受けて、国連加盟国は北朝鮮が制裁を回避するのを支援したと疑われる船舶を自国の港湾または領海内で拿捕、臨検、押収するよう指示されている。

2021年9月下旬、英国王立海軍はHMSリッチモンド(HMS Richmond)が「国連の制裁に違反していることが明らかな様々な国の船舶を発見した」と発表した。このフリゲート艦は、インド太平洋への英国の空母打撃群21の展開の一環として、東シナ海での執行活動を行っていた。王立海軍は、国連への報告には違反の疑いのある船舶の船籍は明記しなかった。 

日本の外務省はカナダとフランスが北朝鮮籍の船舶やその他の船舶による不法な海上活動に対して在日米軍基地を利用した数週間の空中監視を実施すると10月中旬に発表した。日本の海上保安庁や海上自衛隊も安保理決議違反の疑いがある船舶を監視している。 

この発表の後にオーストラリア国防軍の航空機による1ヵ月にわたる同様の監視活動が在日米軍基地から実施された。 外務省は、「我が国としては、北朝鮮の完全で検証可能な、かつ不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの廃棄の実現に向け国際社会が一致団結して、国連安保理決議の実効性確保に取り組んでいく観点からこうした取組を歓迎します」と声明で述べている。

韓国政府系報道機関の聯合ニュースによると、北朝鮮の外務省は朝鮮半島付近でのカナダとフランスの空中パトロールを「軍事的挑発」と呼んでいる。 

関係者によると北朝鮮はコロナウイルスによるロックダウンと深刻な洪水により悪化している脆弱な経済をさらに追い詰めている国連の制裁を回避しようとし続けている。非営利研究組織による2021年9月の発表では、密輸業者が制裁対象船舶の識別情報を偽造している。制裁の執行を監視している専門家は、北朝鮮と安保理常任理事国の隣国である中華人民共和国とロシアによる違反の疑いも挙げている。

 2021年2月、フランス海軍がフリゲート艦FSプレリアル(FS Prairial)が国連制裁を施行するために東シナ海で展開中に、2隻の油槽船が違法な瀬取りに従事していることを発見したと報告している。 

北朝鮮による安保理決議に違反する潜水艦発射弾道ミサイル、短距離弾道ミサイルおよび長距離巡航ミサイルを含むミサイル実験を監視するために新しい活動が開始された。AP通信が報じたところによると、国際社会はこれらの実験を非難しており、アメリカのリンダ・トマス=グリーンフィールド(Linda Thomas-Greenfield)国連大使はこれを「見境のない挑発」と呼んでいる。 

韓国と米国は北朝鮮に対して膠着状態に陥った朝鮮半島の非核化をめぐる交渉を再開するよう促している。 

日本の外務省は、「北朝鮮の核・ミサイル開発は未曾有の深刻かつ差し迫った脅威です。第二次世界大戦終結以降、日本を取り巻く安全保障情勢が最も厳しくなったと言っても過言ではありません」と声明で発表した。