国産の長射程ミサイル量産 防衛費5.6兆円要求 さらに上積みへ

2022/08/31
更新: 2022/08/31
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[東京 31日 ロイター] – 防衛省は31日に決定した2023年度予算の概算要求に、長射程ミサイルの量産費用を盛り込んだ。隣国の中国が軍事力を増強し、ロシアとの関係を縮める中、日本は年末に向け防衛力の大幅強化を決定する方針で、敵基地攻撃能力に使用しうる長距離兵器の取得は、再軍備以来抑制的な装備体系を維持してきた日本の安全保障戦略にとって転機となる。

この日の省議で決めた来年度の概算要求額は過去最大の5兆5947億円。今年度の当初予算から1.1%増額となるが、長射程ミサイルをはじめ予算額を明示しない「事項要求」を数多く盛り込んだ。年末の政府決定に向けて額はさらに増える見通しだ。

防衛省は陸上自衛隊が運用する「12式地対艦誘導弾」の射程を伸ばした能力向上型の開発を進めており、このうち地上発射型については量産を開始する。当初2026年度ごろから始めるとしていた計画を前倒しする。

島嶼防衛用として開発してきた高速でグライダーのように飛行する高速滑空弾も量産を開始する。音速の5倍以上の速さで飛ぶことで迎撃を困難にする極超音速誘導弾の研究も進める。また、F35AやF15改良型といった戦闘機に搭載する米製とノルウェー製の長距離ミサイルをそれぞれ取得する。

各国が実戦配備を進める無人機(ドローン)は、警戒・監視や情報収集、輸送だけでなく、攻撃に利用可能な形で整備することを目指す。宇宙、サイバー、電磁波といった新たな安全保障領域も強化する。宇宙作戦群を改編し、要員を拡充する。

このほか、米国からレーダーを調達したものの、計画がいったん白紙になった地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージスアショア」を搭載するための艦艇を建造する準備を始める。

政府は年末までに来年度予算の決定に加え、国家安全保障戦略防衛大綱の見直し、今後5年間の防衛力整備計画を決める。ロシアがウクライナに侵攻し、台湾情勢も緊迫する中、岸田文雄政権は防衛力の抜本的増強と防衛費の確保を国際社会に表明する一方、「内容と予算と財源を3点セットで考える」としており、国債発行から増税、政府支出の効率化まで、あらゆる選択肢が俎上(そじょう)に上る見込みだ。

Reuters
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