「五毛党」で世論を操作する中共の手口【現代中国キーワード】

2022/09/14
更新: 2022/09/17

五毛党(ごもうとう)】

中国の金銭の単位は「元(げん)」である。10進法でいうと元の下が「角(かく)」。その下に「分(ぶ)」がある。

ならば「1元5角」と言えばいいものを、なぜか中国人は、買い物をするときの習慣として「1塊5毛」という。塊(クヮイ)とは、ひとつのカタマリを示す概念である。清朝以前の古い時代に、「大きな銅貨の一塊」を卓上で動かして、商売をしていた名残らしい。

つまり1塊(1元)とは、もとは少なくない金額であった。40年ぐらい前の中国でさえ、1元あれば町の食堂で十分な食事ができたことを、筆者の体験として懐かしく思い出す。

ところが今の中国では、1元など子供の小遣いにもならない小銭になってしまった。
まして、その半分の「五毛」などは、もはや嘲笑のニュアンスをともなう「はした金」である。お金を粗末に言うのは道徳的ではないが、今の「五毛」は日本の10円。いや感覚としては5円玉以下にちかい。

「五毛党」とは、そういう極小額のペイをもらって、中国共産党に有利にはたらくように、インターネット上に恣意的なコメントを並べて、国内外で世論を操作する者を指す。

彼らは匿名で、中共をやたら褒める一方、中共に批判的な動画やコメントには集団的に悪罵を連ねる。いずれも品性や教養の欠ける内容であり、日本語ならば実に変な日本語なので「五毛党だな」とすぐに分かる。

1千万人程度はいるとみられる「五毛党」のカネの出どころは、中共宣伝部である。