CNNが数百人規模の人員削減 長寿番組打ち切り、経営見直し迫られる

2022/12/05
更新: 2022/12/05

米テレビメディア大手のCNNは数百人規模の人員削減を行う。視聴率が低下し、グローバル経済の先行きに不透明感が高まるなか、社内組織の見直しを行うことで経費削減を図る。

人員削減は11月30日、CNNのCEOクリス・リヒト氏の社内メモで明らかになった。1日午後の時点でレイオフ対象の従業員に通知されたという。CNNの広報担当者は具体的な人数についてコメントを控えたが、数百人が解雇されたとみられている。

リヒト氏は「今や誰もがグローバル経済の先行きを懸念している。CNNは、このリスクに晒されやすい時代を反映した長期的な経営戦略を立てていくつもりだ」と今後の展望を述べた。

CNNが運営するニュース専門チャンネル「HLN」の朝の生放送番組も制作が停止する。HLNは全米で最も長く続いた朝のニュース番組で、ロビン・ミード氏がMCを務める「Morning Express With Robin Meade」のコーナーは、2001年から放送されていた。

この度の人員削減は、経費削減の動きと連動している。CNNの親会社にあたる「ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)」は、「ワーナー・ディスカバリー(WD)」を合併する際に多くの負債を抱え、今後約4000億円規模のコストカットを行う模様だ。また、外部に発注した業務の取り消しや退職金に対しても、およそ1300億から2000億円を支払う見込み。

米大手企業は相次いで人員削減を発表している。メディア業界では、米ケーブルテレビ会社AMCネットワークスが従業員の約2割を解雇すると発表、米紙大手ガネットは従業員のおよそ6%を削減する動きに入っている。また、Meta(旧Facebook)やMicrosoft、Twitter などのテクノロジー大手もレイオフを行なっている。

米AP通信によると、2020年の大統領選以降、メディアの視聴率や閲覧数は大幅に落ち込んでいる。2021年のCNNの平日夜の時間帯では、20年に比べ視聴者数が38%減少した。FOXニュースも34%減少したほか、NBCが14%、ABCとCBSが12%減少した。

(翻訳編集・王天雨)

戴芙若
関連特集: 米国経済