白昼堂々「子供をさらう」人身売買業者 警察は役立たず、監視カメラは無駄に並ぶだけ

2023/03/23
更新: 2023/05/26

著名な中国人調査記者である趙蘭健氏は21日、青いシャツを着た男が複数の市民によって地面に取り押さえられている場面の、約2分余りの動画をツイッターに投稿した。動画に添えられたコメントによると、取り押さえられた男は、子供を狙った「人身売買業者」だという。

犯罪が増加、しかし警察は役に立たない

投稿には「広東省の梅州市五華県で18日、祖父と一緒にいた子供をさらおうとした人身売買業者が、付近の住民によって捕らえられた。今や失踪児童では足らず、悪人たちは公然と街中で子供をさらうようになっている」などの説明文が添えられている。

動画の中で、周囲の市民は非常に憤慨している。人身売買業者という男は、上半身裸にされ、後ろ手に縛られて、地面に転がされている。その男の周りには大勢の市民が群がり、スマホで撮影している様子だった。

ある市民は、子供をさらう犯人の卑劣さに怒りを抑えられなくなったためか、男を罵倒し、さらには足で男を蹴ったり、顔にビンタしたりしていた。

周囲の市民も、人身売買業者の「男」も、方言であるためどんな内容の言葉を口にしているかは分からなかった。ただ、すでに縛られて地面に転がされている「犯人」に対して、周囲の市民が向ける殺気が「ただならぬもの」であるのは確かのようだ。

この動画を投稿した趙蘭健氏は、さらにコメントとして「経済は衰退し、治安は混乱している。胡鑫宇事件では真相が隠蔽されたため、犯罪の増加につながった。おかげで臓器移植産業は大繁盛。しかし警察は役に立たない」と書いた。

「胡鑫宇事件」とは、江西省鉛山県で昨年10月に失踪した15歳の高校生・胡鑫宇さんが今年1月28日、変死体となって発見されたもの。

地元警察は、本人の意思による「首吊り自殺」と断定し、わざわざ記者会見まで行った。しかし、状況証拠などに矛盾点が多いことから、地元警察ぐるみの、臓器収奪目的をふくむ「他殺」の疑いがもたれている。

失踪者は「誰かの体内」にいる

「真実こそ命を救う」を信念として、米ニューヨークから情報発信をするジェニファー・ゼン(曾錚)氏は先月28日、中国湖北省のある街の広場で撮影されたという動画をツイッターに投稿した。

撮影日時に関する説明はなかったが、広場の地面には失踪者と思われる大量の写真が置かれている。その写真の多くは、乳幼児をふくむ子供であるらしい。

また現場では、拡声器や大きな垂れ幕を使って、失踪した我が子の捜索協力を懸命に呼びかける母親と思われる女性の姿もあった。

この動画に寄せられたコメントを見ると、臓器移植の闇産業を本気で取り締まらない中国共産党体制を批判するものが多かった。つまり、臓器の強制収奪である「臓器狩り」は、中国人の間でも周知の事実となっているのだ。

寄せられたコメントのなかで印象的であり、また衝撃的でもあったのは「(失踪した人は)誰かの体内で生きているだろう」「共産党幹部の病床を回ってみるといい。何か霊感のようなものを感じるかもしれない」などであった。

中国では相次ぐ子供の失踪に関連して、生前に「体中の臓器を取り替えた」と自身が言った中共の元高官の死をきっかけに、再び臓器収奪問題への疑念が高まっている。

中国共産党は、党員自身のすさまじい腐敗によって「金儲け至上主義」といった教育を中国全土に広めている。無神論を宣伝する中共は、神仏を敬わず、中国人の道徳を甚だしく低下させた。

そのような中国では、日本に生きる私たちが耳を疑いたくなるような「人間としてありえない」ことが日常的に起きているのである。

「404」にうごめく「抹殺された社会の叫び」

中国時事コメンテーターの李大宇氏は先月27日、「鎖の女性の誕生」と題する、わずか6秒の動画をツイッターに投稿した。

動画は「街を歩いていた女性が、そばに来た赤い車に押し込められ、一瞬のうちに拉致される」という内容のものだった。被害女性は抵抗する間も与えられずに、車の中へと引きずり込まれた。犯人らの「手際の良さ」には、息を吞むばかりだ。

李大宇氏は、動画説明のなかに、以下のようなコメントを付け加えている。

ショートムービーは「鎖の女性の誕生」。作者は「ビッグデータ」。話のオチは「8人の子供が産まれる(産まされる)」。社会の声は「404」へ。

何やら暗号のようだが、このコメントは有名な「鎖の女性」事件のことを言っているに違いない。筆者(李凌)が李大宇氏に直接確認したところ、やはりそうだった。

「鎖の女性」とは、中国江蘇省の農村で昨年2月、少女の頃に拉致され人身売買されてきたと見られる中年女性が発見された事件である。

ボランティアの人権団体に発見された当時、女性は精神に異常をきたしており、首に鎖が巻かれた状態で、氷点下の離れの小屋に監禁されていた。女性は、8人の子供を「生まされた」だけでなく、夫の了解または黙認のうえで、地元政府の複数の役人に凌辱されたと見られている。

「404」とは、中国のインターネットで検索した際に「ページが見つかりません」というエラーメッセージだ。当局による、情報封鎖の決まり文句でもある。

中国共産党が監視する中国本土では、いかなる声であっても中共の意図に沿わないものは全て抹殺されるのだ。

 失踪者は、なぜ見つからないのか?

「重慶のある交差点」の動画がSNSで拡散されている。その交差点には「監視カメラが78台も取り付けられている」というが、なぜこれほどまでの監視大国である中国で、失踪者が見つけられないのか?

その答えを知っている人は、今は少なくない。つまり「誰かの体内に移植されている」という可能性が、否定できないほど高まっているのである。

中国の「臓器狩り」が、国家ぐるみで産業化されていることは、いまや紛れもない事実である。しかし、その産業チェーンを断ち切るのは、中国共産党が存在する限り、まだ容易ではない。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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