政府庁舎前で単独抗議する「車椅子の女性」 陳情をして、不当に年金を止められたか?=中国・浙江省

2023/05/18
更新: 2023/05/26

その車椅子の女性が掲げた紙には「我要吃飯、我要看病、還我養老金(私はご飯も食べるし、治療もする。私の年金を返しなさい)」と書かれていた。

女性は高齢であったが、当局に抗議する声は力強く、大通りの反対側でも、はっきりと聞こえる。

浙江省の寧波大学を定年退職した教師・華秀珍さん(76歳)は今月9日、同省の政府庁舎前の路上で、ただ一人、先述の文言が書かれた紙を掲げ、抗議の意を示した。

さすがに長年教師として鍛え上げた声は、車椅子に座ったままでも、よく響いた。

それを聞いた黒服の警官たち(9人)が、ばたばたと慌てふためくように道路を渡り、たった一人の抗議者の手から乱暴に紙を取り上げた。それは一瞬のことながら、警官のほうに注目すれば、まことに滑稽な風景であった。

華さんのツイッターアカウントに投稿された動画は、複数の警官が彼女が座る車椅子に手をかけ、移動させるそぶりをみせていた。動画は、そこで終わっている。

華さんの車椅子は(おそらく自分でそうしたらしく)そばの電柱に鎖でつないであったようだが、その後「強制排除」されたと思われる。

この動画の説明文には「私(華秀珍さん)はワクチンの被害を受けた娘・譚華のために陳情を行った。しかしそのために、退職した大学や地元の寧波社会保障局によって年金を止められた。年金を止められて、すでに4年が経つ。しかし地元政府は無関心だ」と書かれていた。

華さんは現在複数の病気を患っており、自由に歩行することができず、車椅子に頼らざるを得ない状況だという。

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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