【独自】トランプ氏、自身への訴追を「楽観視」 弁護士「大統領選の真相を暴露するチャンス」

2023/08/05
更新: 2023/08/05

トランプ前大統領の弁護士はこのほど、エポックタイムズの取材に応じ、トランプ氏に対する訴追は2020年大統領選の問題点を明らかにする良い機会だと語った。度重なる訴追にもかかわらず、トランプ氏は「楽観視しており、強気だ」という。

特別検察官ジャック・スミス氏は1日、45ページにおよぶ起訴状を公開した。2020年1月6日の投票認証作業を妨害し、選挙結果を覆そうとしたと主張した。

訴状が公開された翌日、トランプ氏の弁護士ジョン・ラウロ氏はエポックタイムズの取材に応じた。「今回の起訴は、2020年大統領選挙で何が起きたのかについて、法廷という公の場で皆に知らしめる良いチャンスだ」とし、トランプ氏に対する起訴は、言論の自由について定めた合衆国憲法修正第一条への「攻撃」だと指摘した。

法廷で大統領選の内情を明かすのは今回が初めてとなる。トランプ氏側は関連証拠の開示や証人喚問を行う構えだ。

言論の自由への攻撃

ラウロ氏は今回の訴追について、合衆国憲法が保障する政治言論の自由を根本から攻撃するものだと指摘した。

「2020年の大統領選を批判すれば刑務所行きだというバイデン政権の立場に我々は異を唱える。これは最高レベルの検閲だ」

「政治的な言論を発表する際、発言にミスがあろうと、正確ではない主張を行おうと、それを理由に刑事訴追されるべきではない」とラウロ氏。「発言に誤りがあったとしても、それが政治的な言論である限り保護される」

起訴状では、たとえトランプ氏の主張が間違っていたとしても、選挙不正に関する言論を述べる自由があると認めつつ、トランプ氏は「正当な投票を割り引いて選挙結果を覆そうとする違法な手段を追求した」と糾弾した。その例として、マイク・ペンス副大統領(当時)に対し、2021年1月6日の選挙人投票を拒否または差し戻すよう促したことを挙げた。

これに対しラウロ氏は、「トランプ氏は法廷での審理を希望していた」とし、ペンス氏に要求したこと自体は違法ではないと指摘した。

選挙の不正行為

起訴状では、複数の官僚や顧問、政府関係者がトランプ氏に対し、同氏の主張は信憑性に欠けるものだったと指摘していたにもかかわらず、トランプ氏が「故意に」選挙中の不正行為に関する「誤った主張」を発信していたことが繰り返し言及された。

いっぽうラウロ氏は、トランプ氏が自身の主張の信ぴょう性を固く信じていたため、検察側がこの点を立証することはできないだろうと考えている。

「政府は、当時のトランプ大統領が腐敗した行為によって真相を覆い隠したということを証明しなければならないが、それは不可能だろう。なぜなら、トランプ氏は自分の行いが正しいと確信しているからだ」

ラウロ氏はさらに「トランプ氏の行為は真相を追求するためであり、真実を覆い隠すことが目的ではない」と強調した。

ラウロ氏は、「不正行為に関する主張は全てでっち上げである」という政府の意図に反して、大統領選で発生した問題を目撃した人々による宣誓供述書や宣誓陳述書、またはそのような表明を行う人々が全米で数百に上ると指摘。証拠開示や反対尋問の過程で多くのことが明らかになるだろうと述べた。

「共謀」の有無

起訴状では、6人の匿名の人物がトランプ氏の共謀者としてリストアップされている。このことについてラウロ氏は、起訴されるかもしれない恐怖感を彼ら与えることでトランプ氏を弁護させないようにする検察官の策略が見え隠れすると語る。

ラウロ氏の分析によると、6人のうち5人はいずれもトランプ氏の元弁護士や現役の弁護士などだ。その中には、ニューヨーク市長を務めたジュリアーニ氏も含まれているという。

「これが政府のやり方だ。人々を怖がらせ、トランプ氏のために証言させないようにしている」とラウロ氏は語った。「彼らが起訴されることを恐れるならば、法廷で証言をすることは難しいだろう」

ラウロ氏によると、6人はいずれもトランプ氏に対して法的な助言を行ったに過ぎない。「真摯に法的な助言を行う弁護士を訴追する政府のやり方に問題がある」とし、弁護士に法的助言を求める国民の権利にも影響を与えかねないと指摘した。

「この事件は米国民の自由が守られるかどうかの境目であり、憲法修正第一条の存在意義と、正当な法的手続きを受ける権利が問われているのだ」とラウロ氏は強調した。「これこそ本案の意義である・・・トランプ氏に対する刑事訴訟だが、私は法廷ですべての米国民を代表するつもりだ」

Cathy He
エポックタイムズ編集者。米国時事と中国時事を担当。オーストラリアで政府弁護士として勤務する経験を持つ。
エポックタイムズのシニアエディター。EPOCH TVの番組「米国思想リーダー」のパーソナリティーを務める。アカデミア、メディア、国際人権活動など幅広いキャリアを持つ。2009年にエポックタイムズに入社してからは、ウェブサイトの編集長をはじめ、さまざまな役職を歴任。ホロコーストサヴァイバーを追ったドキュメンタリー作品『Finding Manny』 では、プロデューサーとしての受賞歴もある。
エポックタイムズ記者。米国議会を担当。