公安高官を親族にもつ犯人 人を刺しても翌日には釈放、ついに殺人へ発展=中国 湖南

2023/11/01
更新: 2023/11/01

中国公安の高官を親族にもつ男がいた。その男は、何らかの怨恨を抱く相手(女性)をつけ狙い、刃物で刺して負傷させ、ついに車を使って殺害するに至る。

しかし、あまりにも不可解なのは、その男が何回も「殺人未遂」を起こしているのに、口頭での指導程度で、すぐに警察から釈放されてきたことだ。

湖南省漣源市で、この男が起こした殺人事件から3周年を迎えるにあたり、最近、中国メディアは再度この事件の話題を取り上げている。ネット上では、同様に「公安を親族に持つ犯人」に関する話題が飛び交っている。

何回も殺人未遂「しかし、すぐに釈放」

3年前の2020年10月12日早朝、犯人の「周」は、中学時代のクラスメイトであった女性を意図的に車で轢き、殺害する事件が起きた。

実は、この犯人である「周」は、現地の公安の高官を親戚にもつため、過去に何度も被害者の女性の殺害を試みてきたにもかかわらず、一度も刑事罰を科せられていないのだ。

一度目はナイフで女性の頸部を刺し、そばにいた女性の家族まで負傷させた。しかし、現地の警察に引き渡された後、しばらくしたら、なぜか釈放されている。

ナイフ騒ぎから1カ月余り経ったころ、周は再度、凶器として工具のドライバーをもって女性の家に行ったが、通報されて未遂に終わった。警察に連行されたが、翌日に、また釈放されたのである。

後日の周の供述によると「私(周)が警察署に連行された後、地元の公安局交通警察の副隊長を務める従兄弟の葛氏が駆け付けた。葛氏は私に(口頭での)教育指導をした。その後、警察署長から(更生の)チャンスを与えられて、何の処罰も受けずに釈放された」という。

周の供述の通りであるとすれば、殺意をもって障害や殺人未遂を起こしても「事件」として立件されず、口頭での訓戒程度で釈放されるケースが中国には実際にある、ということになる。

あまりにも不可解な流れであるが、公安の高官を親族にもつということが、それほど「超法規的」な効力を発揮することに驚きを禁じ得ない。

執拗な凶悪犯を、なぜ野放しにしたのか

人を刺しても罰せられない。警察署に連行されても、すぐに釈放される。そんな「成功経験」を重ねた周は、その後さらに歯止めがきかなくなり、執拗に女性を狙った。

そしてついに、2020年10月12日の早朝に悲劇は起きた。周はこの日、被害女性の家の付近で、車で待ち伏せしていた。自宅から出てきた女性が乗るバイクを追尾して、車を後ろから思いきりぶつけたのだ。

この時、バイクには、運転していた女性のほかには、女性の息子と姪も乗っていた。中国では、法的規制がゆるやかなため、このように「3人乗り」している場合もある。

女性は、追突された衝撃で田んぼのなかに飛ばされた。息子と姪は、路上に倒れた。それから周は車をバックさせて、女性の息子を「再度」轢いた。息子はその場で死亡し、女性もその日の夜、病院で亡くなった。姪はケガを負って入院した。

殺人事件から約4カ月後の2021年2月、事件に関与した公安職員は逮捕され、後に判決を受けた。

同年5月、周は死刑判決を受け、被害者家族に対する賠償金12万元余り(約246万円)の支払いを命じられている。しかし「死刑執行までに、一銭も払われていない」と被害女性側は主張している。

今年7月、周は銃殺刑に処された。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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