最新ステルス爆撃機 B-21 の生産開始が中共に与える影響

2024/03/04
更新: 2024/03/04

B-21ステルス爆撃機「レイダー」の計画のスピードが加速している。2度の試験飛行を完了させた数週間後に、米国防総省はノースロップ・グラマン社に大量生産の開始を許可した。

調達を担当する米国防副長官ウィリアム・ラプランテ氏は、「B-21の生産は前進している。昨年秋、地上および飛行テストの結果とチームの成熟した製造計画に基づき、B-21の初期生産(LRIP)計画を承認した」と述べている。

米空軍はB-21で戦略的長距離爆撃の能力を、敵のもつ能力から大きく引き離すことができる。

中国共産党(中共)とロシアが軍事投資を増やし、防空システムを強化している中、米空軍にはいつでも世界のどこでも打撃を与えることができる新型爆撃機が必要だった。

米国はB-1、B-2、B-52という爆撃機を持っていたが、米空軍は運用コストが高いB-2爆撃機の数十機の役割と巨大な資源を、より能力が高くコストが低いシステムに移行する必要があった。

米国はB-21レイダーの登場により、現代戦の戦略目標を達成することができるようになった。

ラプランテ氏によると、B-21はB-1BとB-2Aの代わりに戦略的な威嚇を提供する。2020年代半ばには運用開始が予定されている。現在、100機の調達予定で、1機あたりのコストは約6億ドル(約900億円)と見積もられている。ちなみに、B-2のコストは1機20億ドル(約3千億円)以上と言われている。

B-21は、世界初の第6世代航空機として知られており、データ、センサー、武器の高度な統合により、能力と柔軟性において新時代を切り開いており、また変化する脅威に迅速に適応するためのアップグレードが可能である。

B-21は、昨年11月10日に初飛行を行った。今年1月17日、B-21はエドワーズ空軍基地で2度目の試験飛行を完了した。

飛行テストは、空軍テストセンターと第412テスト飛行隊が担当した。初期テストには、基本的な飛行包絡線と操縦品質、フラッター(振動)、エンジン性能、センサーと通信機能などが含まれた。

試験飛行のデータは、コンピューターシミュレーションデータと比較され、初期の実際のテスト結果と一致した場合、米空軍は一部の飛行包絡線テストをスキップし、試験飛行のサイクルを短縮してコストをさらに節約する可能性がある。

以前F-35で同様の試みが行われたが、その時は成功しなかった。現在、先進的なデジタル手法が進展しており、非常に高い精度で航空機性能を予測できるため、B-21の試験飛行サイクルを短縮する試みが成功する可能性が高い。

米空軍の迅速能力事務所(AFRCO)が調達計画を管理しており、これによりB-21は以前の新型機の開発よりも速く進むことになる。従来のテスト機とは異なり、B-21のテスト機は、生産型機と同じ製造プロセスとツールを使用して建造されている。この開発方法は、大量生産をより速く開始する基礎を築いている。

B-21の開発においては、成熟したシステムや部分的に成熟したシステムを先進的な機体設計と組み合わせることでリスクを低減している。B-21はB-2よりもサイズが小さく、搭載する弾薬の量も少なくなっているが、航続距離は増加しており、これはリスクと能力のバランスを考慮した結果である。

B-21を単なる爆撃機と捉えるよりも、それが核弾頭が搭載可能な長距離スタンドオフ(LRSO)ステルス巡航ミサイルやRQ-180戦略偵察無人航空機などを含む、一連のシステムの一部であると見る方が適切である。これらは広範なエコシステムを形成し、米軍の全域作戦理論のさらなる発展を促している。

実際に、B-21プロジェクトは計画通りに進んでおり、予想外の速さで量産に入ることができ、米空軍にとっても、このことは驚きだった。

■無敵な組み合わせ 長距離爆撃機と超射程なミサイル

英国際戦略研究所(IISS)は最近、インド太平洋地域の力のバランスに関する報告書を発表し、この地域の国々が軍備を拡大していると指摘した。西側の長距離能力の発展は、特に中国共産党の潜在的な軍事侵攻に対する抑止力を強化することによって、この地域の安定に貢献する可能性がある。

近年、中共は台湾および周辺国に対する軍事活動を強化している。米国のブリンケン国務長官は1月16日に、「記録が示すように、台湾の民主主義を守ることは米国の政策であり、今も変わらない」と述べた。

この政策は、平和、安定、現状が破壊されないように最大限の努力を尽くし、それが世界中のすべての人に影響を与えることになる。

英国の報告書は特に、米空軍のB-21レイダーを地域安定の手段として挙げ、射程距離が1800kmの統合空対地スタンドオフミサイルAGM-158D(JASSM-XR)の派生型が2027年2月に配備開始される予定だと述べた。この先進的な長距離打撃能力は、B-21ステルス爆撃機の配備時期と一致している。

統合空対地スタンドオフミサイルとその派生型は、現代の防空システムを打ち負かし、固定目標を攻撃することを目的としている。

ほとんどの米空軍戦闘機から発射可能だが、長距離爆撃機から発射する場合に特に効果的であり、将来、B-21爆撃機が共同防空外地対地攻撃ミサイルの派生型を装備した場合、米空軍が敵に発見されることなく、遠く離れたところから攻撃する能力を著しく強化する可能性がある。

国際戦略研究所の報告書は、米国、豪州軍、ロッキード・マーチン社の情報を分析し、B-21爆撃機がインド太平洋地域の4か所の基地に配備される可能性があると述べた。それらは、グアムのアンダーセン空軍基地、豪州のダーウィン、タウンズビル、アンバーリー王立空軍基地である。

もしB-21爆撃機の作戦半径を7千km、AGM-158D巡航ミサイルの派生型の射程を2千kmとするならば、上記4か所のいずれかに配備されたB-21の打撃範囲は中国全土をカバーすることができ、もちろん北朝鮮全域とロシアの大部分も含まれる。

強力な戦力を有し、超遠距離の作戦半径を持ち、長距離任務を実行できる第6世代ステルス爆撃機と、最新型の統合空対地スタンドオフミサイルを組み合わせた打撃力は米軍の抱えている戦略的および戦術的問題を解決できる。この事を理解することができれば、なぜこの戦力をインド太平洋地域に配備する必要があるのかがわかるだろう。

それは、敵が予測不能で阻止できない精密打撃力が、いつでもどこでも目標上空に現れる可能性があることを意味する。これによって形成される威嚇効果は、特に独裁政権に対して大きな衝撃を与える。

夏洛山
大紀元時報(中国語)記者。長い従軍経験があり、軍事番組「Military Focus」を主宰する。