中国で失脚した高官の地元では、逆説的に「祝・落馬」の横断幕がひかれ、花火が打ち上がった。
「ずっとこの日を待っていた!」と人々はとても嬉しそうだ。

失脚馬したのは湖南省政協の元副秘書長の龔文密(きょうぶんみつ63歳)、「重大な規律違反と違法行為の疑い」で調査を受けていることが公表された。
(龔文密の地元で打ちあがった花火と「祝・落馬」の横断幕)
龔が邵陽市(しょうよう-し、湖南省)のトップをしていたころ、(2016年~2021年)
彼に対する世間の評判は「金儲けにしか興味がない」だった。
しかし彼は2017年、市の紀律検査委員会の全体会議で反腐敗をテーマとした1万5千字近いスピーチを行っていたという。

腐敗官僚
「無官不貪」という中国語がある。邦訳すると、「中国には腐敗官僚しかいない」となる。この言葉は、中国人が日常的に使っているものであり、そして公認の事実である。
もちろん、なかには一部の民衆のために働き、清廉潔白な官僚もいる。その一方で腐敗に手を染めなければ出世などできない中国官界の現実もあり、官僚というと、特権を笠に着た腐敗悪人というイメージが完全に定着している。
現在の中国では、官僚に対して、反感や恨みを抱く一般市民は多い。そして、村役人や官僚が被害者になる事件が起きるとネット上で歓声が上がっている。
中国の歴代の王朝の末期もみな役人の汚職がはびこっており、中国共産党も同じ道をたどっている。狂った世の中だが、これが中国の現実だ。
この現象について、中国関連の時事ニュースを報道するセルフメディア番組『新聞看点』の司会をする、時事評論家の李沐陽(りもくよう)氏は次のようにコメントしている。
「役人たちもまた哀れなものです。民衆が限界に達し反撃に立ち上がる時、真っ先にターゲットにされるのは、この中国共産党の具体的な化身(体現者)である彼らなのです。そう考えると、この人たちもある意味で、中共体制下の犠牲者だと言えます」

ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。