経済衰退が続き、失業者が町にあふれ生活の苦しみに、将来に絶望した自殺者が絶えない中国。
中国共産党(中共)当局は、政権安定を維持しようと必死である。
最近、中共当局は金融関係者に対して、「SNSなどで富を誇示したり、見栄を張る行為は禁止する!」と管理を強めている。
当局による取り締まり強化の背景には、中国で広がる貧富の差を隠す意図があり、政権安定を維持するためだと専門家は見ている。
この問題に対し、カナダに拠点を置く元北京の弁護士、賴建平(らいけんぺい)氏はNTD新唐人テレビの取材にこのように指摘した。
「多くの中国人は、中共の政策のせいで生活が困窮し、借金に苦しんでいるため、彼らは政府に対して大きな不満を持ち、社会に対して恨みを持っている。そのため、それらの人たちは、共産党の統治にとって不安定な要素となっている。刺激したくないのだろう」

証券業界
中国証券監督管理委員会が管理する「中国証券業協会」が新たに公表した評価指標(草案)のなかには、従業員が「過度の贅沢」にふける場合、証券会社の罰則の対象となるというのがあった。
中国中央企業傘下の企業「中金」の従業員の親族による「富の見せびらかし」が引き起こした「世論の反発」をうけ、2022年7月以来、中国の証券会社のほとんどは、従業員の個人SNSの公表内容に対する管理を強化している。
いまでは、なんでもかんでもSNSに公表するような、節度をわきまえない人の採用を断る証券会社も多い。
(世論の反発を引き起こした「中金」の従業員の親族による「富の見せびらかし」動画)
インフルエンサー
証券業界に限らず、近年、ブランド品や高級車、自身の贅沢な生活をSNSで誇示する内容を配信する多くのインフルエンサーが、当局によるアカウント凍結などの封殺に遭っている。
実際にネット上で富を誇示するインフルエンサーが、知り合いの嫉妬を招いて拉致され殺害された事件も起きている。
他人の富を妬むこともまた、中国社会が抱えるもう一つの「病態」だ。
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