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激変する中国 ――消された証拠、沈んだ正義。中国「司法なき国」の現実

警官の親族が中国の少年を暴行死 警察が「証拠隠滅」?

2025/04/29
更新: 2025/04/29

中国では、司法の独立が存在せず、権力者による違法行為が公然と行われていた。

中国広東省で2018年、少年・王嘉禧さんが派出所長を親族にもつ加害者らによって暴行され、重傷の末に死亡した。

事件翌日、警察は、暴行の様子を収めていた飲食店の監視カメラ映像を押収したが、返却されたハードディスクからは肝心の映像が消えていた。

警察側は当初、「自首扱い」でわずか15日間の拘留処分で幕引きがされかけた。後に市民の怒りと家族の粘り強い訴えによって、再捜査が始まったが、それでも量刑(「騒乱挑発罪」で1年半の実刑)が異様なまでに軽かった。

権力を持つ側が証拠を消し、犯罪を揉み消すと言う。いっぽうで正義を求める遺族は、6年にわたり訴え続け、ようやく再審にこぎつけたが、正義の実現は、果てしなく遠い。

今月に行われた「再審」では判決はすぐに出されず、法曹界からも「1年半の実刑はあまりに軽すぎる」との批判が噴出した。

家族の執念と世論のプレッシャーがなければ、事件は闇に葬られていただろう。しかし、再審にこぎついたからといって、司法は正義を果たしてくれるのだろうか?

本来、中国は古代から「徳」と「法」を重んじ、世界有数の法文化を築いてきた国だ。しかし中国共産党の支配以降、法は完全に権力の道具へと堕落した。腐敗と癒着が国中に蔓延し、正義は金と権力の前にひれ伏す存在となった。

今の中国に、真の司法など存在しない。あるのは「力による支配」だけだ。

 

イメージ画像。中国の陳情民。(スクリーンショット)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!