【閲覧注意】本記事には、残虐な映像や画像があります。
ご注意ください。
中国の町にまた、暴走車。そう、「また」なのである。
「暴走車」と呼んだのは、明確な意図を持った攻撃であった可能性が高いとされているからだ。
現場の映像から車両は立て続けに信号無視をして、加速し続けて猛スピードで群衆目掛けて突っ込んだため、「社会報復だ」と信じる論調は強い。
もちろん、当局は否定する。
近年、中国各地で発生する車の暴走による無差別轢殺事件のほとんどが最終的に「運転手による操作ミス」や「精神疾患を患う運転手による操作」として処理され、背後にある社会的動機や個人の鬱屈は無視され続けているのだ。

福建省福州市の「超」繁華街
5月2日夕方、中国福建省福州市の「超」がつく繁華街で、暴走車が現れた。
信号無視した自家用車が猛スピードで交差点に乱入して、歩行者の群れや電動バイク、タクシーなど多数の車を次々とはねとばした。
目撃者によると、「車はその前の交差点から信号無視していて、加速したまま大惨事となった交差点で(歩行者側は青信号)道路横断中の歩行者の群れや電動バイク、タクシーなどに突っ込んだ」という。
(当時の映像)
現地の警察はこの件を「操作ミスによる交通事故」として処理し、2人死亡と発表した。運転手は身柄を拘束されている。
しかし、当局の発表に対し、「いや絶対社会報復だ」「死んだ人の数は明らかに2人以上」といった反論の声も多く、当局発表への不信感が広がっている。
ネット上では市民が投稿した当時の映像は検閲され、「事件」に関する情報統制も敷かれている。
もちろん、今回の件が単なる不幸な交通事故であった可能性は否定はできない。本件が真に不可抗力による悲劇だったとしても、それを巡る当局の対応がまたしても「真実を隠す体質」を露呈した。
こうした事件、あるいは事故が起こるたび、関連する話題のコメント欄に必ず書き込まれるのは「どうせ真相は葬られる」という嘆きだ。
「中共当局の公式発表など、句読点でさえも信じるな」と華人圏でからかわれるほど当局の信用は地に落ちているなか、民衆の不安だけがどこまでも膨らんでいく。
事実と向き合うよりも体裁を優先する姿勢が、市民の疑念と不信を育てている。この構造が変わらない限り、どんな事故も「隠蔽された事件」として語られ続けるだろう。
時はゴールデンウイークの真っ只中。「またどこで社会報復が起きるかわからないから、人混みを避けよう」と呼び掛ける声が広がっている。
中国社会には見えない恐怖と猜疑心が静かに蔓延している。
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