中国共産党による長年の独裁と思想統制は、国民の内面から「誠実さ」や「責任感」を奪い取り、社会全体に深刻なモラル崩壊をもたらした。そんな病巣の一端が、遼寧省瀋陽市にある職業学校で起きた「集団返品事件」に垣間見えた。なんと、60人以上の学生が、ネットで購入したスカートを、値札がついたまま運動会で使用し、汚れた状態で「品質問題」を理由に一斉返品したという。
販売店は、約8千元(約16万円)の損害を被っただけでなく、返品があまりに多いということを問題視され、プラットフォームから「3か月間の営業停止」に処された。
事の発端は、教師による指導だということも生徒の証言で明らかになった。
「スカートは高いから買えない」という生徒に対し、教師は「あとで返品すればいいから」と購入を強要し、ネットの通販制度の抜け穴を悪用して、費用を回避するよう促したという。
「お金をかけずに目的達成」
被害に遭った店主によると、スカートは、イベント直前に一括注文されたもので、受け取り後に「問題あり」との申し出はなかった。しかし、返送されてきた商品には草や土の付着など、明らかに使用の痕跡があり、返品制度を逆手に取った行為であることは明白だった。
中国のネットショッピングでは、消費者保護の名のもとに返品制度が乱用され、「一度使ってから返す」行為が黙認されてきた。今回はそれが集団規模で行われ、制度と倫理の両方が完全に機能不全を起こした格好だ。
集団返品の件をめぐり、店側は解決策を求めて何度も学校に連絡するも相手にされず、致し方なく、SNSで告発するに至った。
この件は、中国SNSウェイボー(微博)のトレンド入りするほど話題になり、社会的批判も高まった。
世論のプレッシャーをうけ、学校側は謝罪と補償を申し出たが、制度悪用の指導という根本的問題は、依然と放置されたままだ。
この件は、単なる「教育現場の不祥事」が問題ではなく、中国社会全体に広がる「ルールを逆手に取ることが賢い」とする風潮の一例であり、共産党政権が植え付けてきた「結果至上主義」の毒が、今も若者たちの価値観を蝕んでいる証拠だ。
倫理感なき教育の末路
この件を通じて、SNSでは「モラルを喪失した教育者の姿勢が、次世代に与える深刻な影響」に関する懸念が高まった。教育者の責任と影響力の大きさに、再び注目が集まっている。
「店主の立場に立って考える視点が完全に欠如している今回の教師に関して、このようなモラルのない教育者が育てる未来の若者を想像するだけで、背筋が寒くなる」というユーザーも多いのだ。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。