鹿児島県奄美署は7日、国の天然記念物に指定されている「オカヤドカリ」数千匹を無許可で所持したとして、中国籍の24~27歳の3容疑者を文化財保護法違反の容疑で逮捕した。
発表によると、3人は6日、奄美市内で文化長官の許可を得ずにオカヤドカリ計160キロを所持した疑いがある。滞在していた宿泊施設の従業員が部屋でオカヤドカリを見つけ、環境省に通報した。
オカヤドカリの違法所持を巡っては、3月31日には、沖縄県宮古島署は正当な理由がなく国指定の天然記念物のオカヤドカリ998匹を所持していたとし、文化財保護法違反容疑で台湾在住の自称グラフィックデザイナーの男(29)と自称会社員の男(29)を逮捕した。「人に頼まれて発送しようとした」などとして容疑を一部否認。
宮古島署によると、3月30日夜、宮古島市内の空港の貨物施設にある運送会社から、県外発送の段ボール4箱にヤドカリが入っているとの情報が寄せられた。
31日に段ボールを受け取りに来た男2人に任意同行を求め、その後署で逮捕したという。
オカヤドカリが盗まれる主な理由として、中国など海外でのペット需要や食材としての利用価値があるためとされる。また、オカヤドカリは天然記念物であり、採取や持ち運びには許可が必要となるが、その希少性や人気の高さも密猟を助長している。
現状は法制度や流通管理に不備があるとされ、オカヤドカリの密輸防止のためには、国内外への情報発信・啓発活動、監視・パトロールの強化、法改正・運用の見直し等が不可欠となる。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。