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商船三井 中国造船所へのLNG船発注を当面見送り 米の追加港湾手数料に対応

2025/05/26
更新: 2025/05/26

26日、商船三井は、液化天然ガス(LNG)運搬船の新規発注に関して、地政学的リスクを考慮し、中国の造船所への発注を当面見送る方針を示した。同社は「現在の地政学的リスクを踏まえた上で、LNG船の新規発注については、引き続き慎重に発注先を判断していく」とコメントした。

この対応の背景には、アメリカ政府が中国建造船に対して、新たな港湾手数料を課す政策を発表したことがあった。米政府は、中国共産党が支配する造船業界に対抗し、自国の造船産業の再建を目指すとして、2025年10月14日から手数料制度を導入する予定だ。

具体的には、中国が所有または運航する船舶に対し、初年度は1トンあたり50ドルの手数料を課し、その後3年間で毎年30ドルずつ増加。最終的には1トンあたり140ドルに達する計画だ。中国で建造された船舶を使用する非中国企業の船舶の場合、初年度は1トンあたり18ドルまたは1コンテナあたり120ドルの手数料を課し、3年間で毎年5ドルずつ増額。最終的には1トンあたり33ドル、1コンテナあたり250ドルに達する見通しだ。

商船三井は、「米国による『中国建造船への追加港湾手数料の検討』などを踏まえ、世界中の海運会社がその動向を注視している段階にある」として、自社としても慎重に対応する姿勢を示した。

ただし同社は、LNG輸送需要が、今後も世界的に拡大すると見ており、韓国の造船所に加えて、自社の品質・安全基準を満たす中国造船所の起用についても、引き続き慎重に検討していくとした。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。