ネットが「自由の象徴」だった時代は、少なくとも中国では終わりを告げた。
5月23日、中国当局は、公安部や国家インターネット情報局など6部門の連名で「国家ネットワーク身分認証公共サービス管理弁法(国家網絡身分認證公共服務管理辦法)」を発表した。
7月15日から施行されるこの制度により、ネット上のすべての行動が「実名」で縛られる全人民監視体制が始まるのだ。
個人の身分証とネットIDが紐づけされ、SNS・買い物・医療・行政利用に至るまで、あらゆる行動が「丸見え」にされるという。政府は「個人情報の保護」を掲げるが、実態はコロナ対策で使われた“健康コード”と同様の仕組みを用いた監視網であった。
表向きには「自発的利用」とされているが、現実には使わなければ、生活インフラすら利用できず、事実上の強制だ。すでに2023年から医療や教育分野で試験導入されていた。
国内で批判の声を上げた法学者たちは、SNSアカウントを凍結され、発言も削除された。国際社会からも「人権侵害」「中国憲法違反」との非難が相次ぐなか、それでも中共は制度の実施を強行する構えだ。
スマホの向こうにいるのは、公安だ。
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