アメリカのトランプ大統領は、ロシアのプーチン大統領に対し「火遊びはやめろ」と警告し、新たな対ロシア制裁を示唆した。ウクライナ情勢が緊迫する中、アメリカ政府と議会はロシアへの圧力を一段と強める構えを見せている。

トランプ大統領は5月27日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、プーチン大統領に対して「火遊びはやめろ」と強い警告を発した。

その上で、トランプ大統領は「プーチンは理解していない。もし私がいなければ、ロシアはすでに大きな問題を抱えていたはずだ。本当に大変な事態になっていただろう。彼は火遊びをしている」と述べ、制裁の可能性を強く示唆した。

アメリカ政府は現在、ロシアによるウクライナへの長距離ミサイルや無人機による攻撃が激化していることを受け、新たな対ロシア制裁を検討している。ここ数日、ロシア軍は数百機の無人機と数十発のミサイルを発射し、ウクライナ各地の目標を攻撃。これに対し、アメリカはさらなる圧力を加えるための措置を模索している。

トランプ大統領は以前から、ロシアとウクライナの双方に対し、バチカンの仲介による停戦協議を行うよう呼びかけてきた。しかし、ロシア側は表向きは対話に応じる姿勢を見せつつも、攻撃の手を緩めていない。こうした状況を受け、トランプ大統領は「プーチンは多くの無実の人々を殺している。彼に何が起こっているのか、私には分からない」と、プーチン大統領の行動に強い疑念を示した。

CNNは、トランプ大統領が今後数日以内にロシアへの新たな制裁を発動する可能性があると報じている。アメリカ政府高官らはここ数週間、モスクワへの圧力を強化するための複数の制裁案を準備してきたという。トランプ大統領自身も「新たな制裁を絶対に検討する」と明言している。

さらに、共和党リンジー・グラム上院議員は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙への寄稿で、ホワイトハウスと連携し対ロ制裁の法案を推進していることを明らかにした。グラム議員は「プーチンがこのまま悪ふざけを続けるなら、上院は行動を起こす。状況が好転することを望むが、モスクワの暴君に対し、我々はさらなる制裁に備えるべきだ」と述べ、議会としても強硬姿勢を崩さない構えを示した。

ウクライナ情勢が緊迫する中、アメリカ政府と議会はロシアへの圧力を一段と強める構えを見せている。