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マンション価格高騰と外国人投資 国交省が実態調査へ 国会でもルール整備を提起

2025/05/28
更新: 2025/05/28

東京都心部を中心にマンション価格の高騰が続く中、国土交通省は外国人による投資目的の購入が価格上昇の一因と指摘されていることを受け、その実態を把握するため初の大規模調査に乗り出すことを決定した。調査は2025年度下半期に結果が公表される見通しであり、今後の住宅政策や市場健全化策の基礎資料となる。

東急リバブル・不動産経済研究所の調査では、東京23区の新築マンション平均価格は2025年3月時点で1億4,939万円と、一般のサラリーマン世帯では手が届きにくい水準に達している。この背景には、低金利や円安などの経済要因のほかに、海外富裕層による不動産購入が大きく関与しているとの指摘が相次いでいる。

2025年5月14日、国土交通・法務連合審査会で質疑する吉川里奈衆議院議員(参政党)【衆議院インターネット審議中継スクリーンショット】

こうした中、2025年5月14日の衆議院国土交通・法務連合審査会では、参政党の吉川里奈衆議院議員が「外国人による不動産取得の実態を国交省は把握・分析すべきだ」として質疑を行い、外国人による不動産取得の現状やその影響について問題提起していた。吉川議員は、外国人による不動産購入の実態把握と早急なルールづくりの必要性、そして増加する外国人所有マンションの管理上の課題について強い懸念を表明した。

吉川議員は、住宅は本来「住む人のためのもの」であり、投資や商用利用が優先されるべきではないと訴えた。カナダやオーストラリアのように、外国人の住宅購入を制限する動きが海外で広がっていることにも言及し、日本でも取得目的に応じた規制導入を検討すべきだと主張した。

2025年5月14日、国土交通・法務連合審査会で質疑い答える中野洋昌国土交通大臣【衆議院インターネット審議中継スクリーンショット】

これに対し、中野洋昌国土交通大臣は、不動産市場の動向把握の必要性を認めた上で、「居住の安定確保や良質な住宅ストックの形成、取引の適正化を図るために、住宅市場における実態やニーズの変化の把握に努めていきたい」と答弁した。また、法務省竹内努民事局長は、外国人所有者が増えることで管理組合の負担が増す現状を踏まえ、国内に住所を持たない区分所有者には国内管理人の選任を可能とし、その権限を明確化する法改正案の内容を説明した。ただし、管理人の選任は義務ではなく任意であるため、吉川議員はさらなる対応を求めた。

民間調査(三菱UFJ信託銀行の「2024年度下期デベロッパー調査」)によれば、都心3区(千代田・港・渋谷)の新築マンション購入者の約2~4割が外国人であり、特に高額物件ほど外国人比率が高い傾向がみられる。

国土交通省は、今回の調査で外国人による不動産取得の実態を把握し、今後の政策検討に役立てたいとしている。調査結果は今後の議論やルール整備の是非に大きな影響を与える可能性がある。

大紀元日本の速報記者。東京を拠点に活動。主に社会面を担当。その他、政治・経済等幅広く執筆。