1989年6月4日、北京・天安門広場に集まった学生らは民主と反腐敗を訴えたが、軍の銃弾を浴び、戦車によって轢き殺された。真実の死傷者数はいまだ不明。
天安門事件から36年──その記憶が未だ消えない中国。毎年、この日に近づくたび、中国共産党(中共)当局は、厳重な監視と検閲体制を敷き、突発的な事件を徹底的に防ごうとする。共産党政権にとって「六四」は、いまだ触れてはならぬ“禁忌”であり続けていた。
そんな中、福建省泉州市にある中国共産党の中央統一戦線工作部直轄下の国立・華僑大学近くの歩道橋に、「自由」「民主」と書かれた横断幕が掲げられた。時はまさに「事件前夜」であり、映像とメッセージは国外の著名な民主活動家のもとへと送られ、若者たちの決死の抗議が世界に伝えられた。

メッセージを受け取った民主党国際連盟の界立建(かい・りっけん)主席によれば、横断幕を掲げたのは華僑大学の学生たちで、自らの行動を「中共(中国共産党)に対する無言の抗議」だと語っている。
「もう父の世代のように騙され、奴隷のように生きたくはない。何もかも、もう終わらせなければならない」――と綴った学生たちは「不服従と静かな抵抗によって、中共を内側から崩していこう」と呼び掛けた。
界氏は「紙一枚掲げただけで拘束されかねない今の中国で、命をかけて託してくれた若者たちの勇気に心を打たれた」と語った。

昨年12月には、同じく統戦部直轄の曁南大学でも「民主国家よ、中国を助けてください(請民主國家拯救中國)」と書かれたビラを掲げる学生が現れるなど、政権に対する静かな抵抗は確実に広がっていた。
「中国共産党がすでに末期状態であり、社会全体に絶望が蔓延している今、何が中共の終焉を招く『最後の一撃』となるかわからない」と界氏は、終末の足音が迫ってきたと見る。
華僑大学の学生たちが2025年5月24日に界立建氏あてに送信した文字とその邦訳。
「六四都過去36年了,我們不想再等待,不想像父輩一樣被中共奴役欺詐。在中共統治下沒有任何做人的尊嚴,活著就是行屍走肉。我們都是供養共產黨龐大體系的螺絲釘,生不起也死不起,一眼看到韭菜一輩子結局,時刻準備著被宰割,我們就是最後一代被中共割韭菜的犧牲品,一切都該結束了!
「我們華僑大學學生在天橋上掛上了『自由』『民主』布條,在六四前夕,是對中共作出的無聲抗議!
「這是『六四』天安門事件的迴響,一條布條,兩個字,就能夠讓中共膽顫心驚。希望所有同學們起來吧,用不合作軟抵抗方式拖垮中共,我們掛此條幅已經做好了最壞打算。 讓海內外同胞看看 ,國內從來不缺反抗者,彭立發被抓,方藝融來了,方同學被抓了,成都又來了梅世林⋯⋯」
「我們華僑大學同學們已經做好了(準備)為自由殉葬。共產黨我不怕你們,一切是時候結束了。」
(邦訳)
「六四(天安門事件)からもう36年が経ちました。私たちはもう待ちたくありません。父の世代のように中共(中国共産党)に奴隷のように使われ、だまされる人生を繰り返したくないのです。中共の支配下では、人としての尊厳など一切ありません。生きているというより、まるで死んだも同然です。
私たちは皆、共産党という巨大なシステムを支えるネジに過ぎず、生きることすらままならず、死ぬことすら贅沢、人生の結末は初めから「刈られる側」と決まっていて、常に犠牲にされる覚悟を強いられています。私たちは、中共によって搾取される犠牲者で、私たちで最後にしたい、何もかももう終わらせるべきです!」
「私たち華僑大学の学生は、『自由』『民主』の横断幕を歩道橋に掲げました。これは天安門事件の前夜という時を選んで、中共に対する無言の抗議です!」
「これは『六四天安門事件』の響きです。たった一本の布、二文字で中共を震え上がらせるのに十分です。すべての学生たちよ、どうか立ち上がってください。不服従と静かな抵抗をもってして、中共を内側から弱体化させようではありませんか。私たちはこの横断幕を掲げることで、すでに最悪の事態も覚悟しています。中国国内や国外の同胞たちに見てほしいのです。中国国内に“反抗者”がいないわけではない。彭立発は捕まったが、方藝融が来た、彼も捕まったが、今度は梅世林が来た……。
抗争者は捕まってもまた現れる、私たち華僑大学の学生たちは、すでに『自由のための殉死』を覚悟しています。共産党よ、私たちはお前など恐れていない。「もういい加減、すべてを終わらせる時が来た。中共の支配は、今こそ終わらせなければならない」

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