政府は、コメ価格の高騰が続き、現在市場に放出している備蓄米が底をついた場合、外国産米の緊急輸入を選択肢として検討する方針を明らかにした。これは小泉進次郎農林水産大臣が6日、閣議後の記者会見で表明したものである。
現在、コメの価格は高騰しており、政府は価格の安定を図るために備蓄米の市場放出を続けている。しかし、在庫は30万トン程度にまで減少する見通しであり、今後も価格高騰が収まらない場合には、備蓄米が尽きる可能性があるという。
小泉大臣は会見で、「聖域なくあらゆることを考えて価格安定を実現していく」と述べ、緊急輸入も含めた対応策を検討していることを強調した。また、政府はすでに関税をかけないミニマムアクセス(最低輸入量)の枠で年間約77万トンのコメを輸入しており、この制度の活用も視野に入れていると説明した。
過去には、記録的な冷夏で国産米が不作となった1993年度に、緊急輸入が実施された例がある。今回も同様の事態に備え、政府はあらゆる選択肢を検討しているが、国内生産者の反発も予想されており、実際の実施については今後の状況を見極める必要がある。
さらに、小泉大臣は農家の経営安定化に向けて「収入保険が農家の経営リスクを補てんするものとして有効だ」と述べ、農家支援策の強化にも取り組む方針を示した。
備蓄米が尽きるとは
備蓄米が尽きることは、国として非常に大きな問題である。備蓄米は、災害や大凶作など有事の際に国民の主食である米の安定供給を確保するために保有されているものであり、その本来の役割は「食料安全保障」の根幹を支えることにある。
もし備蓄米が尽きてしまえば、災害や国際情勢の急変などで米の供給が途絶えた場合、国民への安定供給ができなくなり、食料危機や社会不安につながるリスクが高まる。備蓄米が尽きることは国の安全保障上、極めて深刻な問題だ。国会での今後の議論が注目される。
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